第4話 C国侵攻阻止

空想近未来小説


 かねてからの懸案であるC国のT島侵攻がせまってきたという情報が入ってきた。

(いよいよか)ということで、オレは久しぶりにWPKC極東支局へ向かった。単独で企画書を出すようなレベルではないのだ。そこで、極東支局の中心メンバーやオレのような実行部隊リーダーと話し合いをもった。

「C land's warships equipped with missiled are gathering near T land. 」

(T島付近にミサイルを装備したC国の艦船が集結している)

「Where is A land's 7th Fleet ? 」

(A国の第7艦隊はどこに?)

「It is heading from the coast of the P land . It will take two more days . 」

(P国沖から向かっている。あと2日かかる)

「Does that mean we are the ones closest ? 」

(ということは、一番近くにいるのはわれわれということか)

「However , we do not have the power to attack C land's ships . 」

(だからといって、C国の艦船を攻撃する力はわれわれにはない)

「Is it not possible to manipulate information ? 」

(情報操作はできないのか?)

「I already tried it , but it didn't work because there was a strong block . 」(すでにやってみたが、強固なブロックがされていてだめだった)

「Isn't there something wrong ? 」

(なにか手はないのか?)

「We are coming together to figure it out . 」

(それをひねりだすために集まっている)

「With so many members , there is nothing we can do . 」

(これだけのメンバーがいて、手立てなしか)

「We don't have much time . To do something within two days . 」

(時間がなさすぎる。2日以内でなんとかしろということだろ)

「If we attack mainland C land , won't the ships be heading there ? 」

(C国本土を攻撃したら、そっちに艦船は向かうんじゃないか)

「It mainland C land were to be attacked , this would be the firast target . It will be destroyed in half a day . 」

(C国本土を攻撃したら、ここが真っ先にねらわれる。半日でつぶされる)

「Then attack T land . That's also for a good reason . 」

(その後、T島攻撃か。それも大義名分を得てだ)

「If attack becomes impossible , then persuasion is the only option .」

(攻撃が不可となれば、説得しかないか)

「Who should we persuade ? President ? 」

(説得って、だれを・・主席か?)

「It's not our job to persuade the president . It's the job of the United Nations . 」

(主席の説得はわれわれの仕事じゃない。国連の仕事だ)

「In that case , the commander ? 」

(となると、司令官か)

「Did you go by hellicopter and force a landing ? 」

(ヘリで行って、強行着陸か)

「That's the only option .」

(それしかないな)

「Who's going ? 」

(だれがいく?)

「Are you going without any souvenirs ? Even if you just go , they won't meet

you . 」

(なにも手土産なしでいくのか。ただ行っても会ってくれないぞ)

「Maybe Ms. Min can do something about it ? 」

(ミンならなんとかしてくれるんじゃないか)

とオレが言うと、ミンの魅力を知っている何人かが同意を示した。

「A front line comfort group ? Maybe we can do that . 」

(前線慰問団か? それならできるかも・・)

ということで、白羽の矢はオレに向けられた。そこで、次のメンバーを召集した。全員、支局に待機していた。

 キム  (SK国出身)情報・通信のプロ  35才  前回も参加

 タッキー(J国出身) ヘリのパイロット  31才  前々回も参加

 チン  (C国出身) マジックの達人  30才

 ジム  (A国出身) 変装の名人    28才    前回も参加

 ミン  (C国出身) 空手の達人    25才(女性)前回も参加

 サム  (L国出身) 銃器のプロ    25才    前回も参加


 ヘリをC国仕様に塗り直し、ジムが隊員の変装を施した。みなC国人に見える。

キムが何とかC国艦隊に連絡をとり、空母への着艦を果たした。タッキーはヘリ残留だ。彼は少々のC国語は理解している。日常会話は問題ない。

 食堂で、慰問を始めた。最初はチンのマジックだ。そこそこの反応だ。次はミンのダンスだ。これが受けた。時にセクシーで、悩ましいポーズをとるとやんやの歓声だった。その声にさそわれるように、艦隊の司令官もやってきていたようだ。

 ラストのミンとジムのコントがさらに受けた。ジムが得意の変装術でいろいろな人物になって、ミンとからむのだが、大きな笑いを誘っていた。特に、ジムが素顔ででてきて、ミンを口説こうとするジムを、ひじ撃ちや柔術でそでにするというコントは大うけだった。ジムの素顔がA国の首脳の顔に見えたのである。観客は変装した顔と見ていたが、素顔と分かっているわれわれは笑いをおさえるのがやっとだった。

 終わると司令官室に招待された。これでミン一人が司令官といっしょになればこちらのものと思っていたが、司令官室に入るなり、全員が拘束されてしまった。司令官は、

「I am a dummy . The real commander is elsewhere . 」

(私はダミーだ。本物の司令官は別にいる。)

と言うと、モニターのスイッチを入れた。そこに本物の司令官が登場してきた。

「Welcome . You are members of WPKC . 」

(ようこそ。君たちはWPKCのメンバーだね)

ばれていた。

「Analysis of the helicopter's trajecttory revealed that it did not come from mainland C land . When I contacted my home country , I was told that no comfort delegation had been sent . In that case , It's either from T land or WPKC . If you are from T land , you wouldn't do something like this . 」

(ヘリの航跡を解析すると、C国本土から来たものではないことはわかった。本国に問い合わせても、慰問団は派遣していないという。となるとT島からかWPKCかどちらかだ。T島からなら、こんなこったことはしない)

「What are you going to do wuth us ? 」

(われわれをどうする気だ?)

「Please tell the UN . C land will not launch a pre-emptive strike . Instead I would like to see a referendum on T land led by the UN . 」

(国連に伝えてほしい。C国は先制攻撃はしない。そのかわり、T島の住民投票を国連主導でしてほしい)

「Provocatins , but not pre-emptive attacks ? 」

(挑発はするけれど、先制攻撃はしないか)

「Many residents of Island A , which is close to mainland C land , wish to belong to C land . Hoeever the T land government does not recognize this . We

want the UN to resolve this issue . 」

(C国本土に近いA島の住民の多くはC国帰属をのぞんでいる。だが、T島政府はそれを認めない。それを何とか国連で解決してほしいのだ)

「Is that the aim ?」

(それがねらいか。それでは国連に働きかけてみよう)

「Thanks」

(ありがたい)

「So , could you please withdraw the fleet ?」

(では、艦隊を引き揚げてもらえますか)

「I'll pick it up tomorrow . The 7th Fleet is coming . I don't want any unnecessary contact .」

(明日、引き揚げる。第7艦隊がくるからな。余計な接触はしたくない)

「If you do that , it will help make WPKC's involvement less noticeable .」

(そうしていただくと、WPKCの関与が目立たなくて助かる)

「Finally , the grace period is one year . If there is no progress after one year ,

we stand ready to use force . 」

(最後に、猶予は1年だ。1年たっても進展がなければ、我々は武力行使をする用意がある」

「All right . We hope that doesn't happen . 」

(了解した。そうならないことを願っている)


 翌日、艦隊は本土に引き揚げていった。メディアは第7艦隊をおそれたと報道していたが、実は陰にWPKCの動きがあったことをメディアが知らない。

 任務終了。


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