ロングvsショート

「……」(ギロリ)


「ヴぇ、なんだよ悪役令嬢。言いたいことがあるなら言え‼」


「先に答えてと言っているんですの。別にどちらでもいいですけど」


「んー」(これ絶対どっちかじゃないといけないやつだよな)←葬送のフェ〇ンか。


「……」


「な、なあ悪役令嬢。過去を調べてみて、先に自分の考えを述べたのは、悪役令嬢5回、俺4回。同時1回。だから、平均的に悪役令嬢のほうが多いんだ。だからその……」


「いつも通りわたくしに言えと?」


「―――へい。おっしゃる通りでやんす」


「弱虫青虫ですわ。おっと、またまた吐き気が。ぺっぺっぺ。生命力は青虫以下の現代男子さん♪しょうがないのでわたくしから。清楚系のロングですわ」


「なるほどロング……ん?」


「はいはい。はやく現代男子も」


「え、ああ……。おれショート」


「あん?」


「うっ、こわいヨォ。でも、一度決めたことは揺らがない。それが俺ってもんだろ‼」


「ほんとにそれでよろしくて?」(……)


「やべぇ。カッコ「()←これ」で……だって。ガチギレだわ」


「つまり、目の前にいる可憐な美少女を完全否定したということで」(…………)


「ほうちょっ⁉可憐な美少女⁉なになに。どういうこと?」


「は?」


「あっ、そっか。悪役令嬢ロングだもんな。ごめん、忘れてたから許して」(てへぺろ)


「あきれた野郎ですわ……。もはや殺す意欲もなくなりましたわ」


「もはや殺されもされない。俺って天才だわ」


「ショート……。憧れたこともなくないですけど」(てか、転生前までバリバリショートですわ)


「だって、きらきらっと輝く汗。七色に光落ちる雫。それを完全に表現するのがショートだろう‼」


「『俺は汗好きの変態だぜ』のアピールですわね。なんか慣れてきてもはや天にも昇れそう」


「だーれが汗好きの変態だボケェ」


「け、警察を呼んでくださいまし‼暴言を受けましたわ‼」


「おまぇ……。人をさんざん弱虫青虫毛虫と……」


「聞いてたんですのね。毛虫までは言ってませんけど。自分のこと毛虫だと思っているんですわね」


「けろっとしすぎだろ‼―――たしかに毛虫とまでは言ってないのか……。―――お前といると突っ込むところが多すぎる」


「そのせいでどこまでも話が伸びて行ってしまいますわ。もうみなさん髪型のことなんてわすれてますわ」


「えっ、失礼いたしました!」


「変態は置いておいて、ロングを推奨しますわ」


「いや、身軽でサラサラしてて美しくてふわっと揺れるショートだっ」


「最後にガン押しするのやめてもらえます?」(呆れ)

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