残暑VS極寒

「……なんか前回と似てないか?」


「しかもなんか、今回は少々難しい言葉使いですわね」


「なんか意味があるはず」


「まあとりあえず進めましょう?わたくしは極寒」


「俺は残暑だぜ」


「難しいお題ですわ。冬は寒いし夏は暑いし。どちらともいいものでは…‥‥ああぁぁ⁉」


「なんだ、どうした⁉」


「くくっ。なるほど」


「え?」


「今回の議題について気が付いたことが。これ、わたくしが勝ちですわ」


「え、はぁ。でもなんで」


「これ、極寒と極暑ではなく、残暑なんですわ」


「ハイ?」


「極寒は寒い。しかし、残暑は暑さが長引く、という意味の熟語ですわ」


「あ!」


「実質、暑いのが続くのが嫌の人が大そうなので、わたくしが勝ちでよろしくて?」


「くそ」


「しかも暑さで言えば、地球温暖化の影響もあって……」


「でも待て!冬のほうが電気代がかかるって、今日テレビで言ってたぞ」


「今日までそのことを知らなかったんです?」


「今はそこじゃないだろ‼」


「でも、冷房でもお金かかりますわ」


「しかも、だ。残暑だろ?残暑は嫌だけど、めっちゃ熱いとは言ってない」


「うっ」


「つまり、寒さか長さを選べってことだ」


「……これは、きついですわ」


「陰謀ぅぅ~‼」


「なんか、テンション上がってません?」


「だって、今回俺優勢じゃね?」


「いえいえ。同率ですわ、おそらく」


「そ、そっか……」


「なんか動揺してますわ」


「だ、だって、悪役令嬢、わたくしがダントツ圧勝してますわ、とか言いそうなのに……」


「どれだけわたくしを悪役に仕立てたくて……?」(怒り)

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