冬vs夏

「雪、雪だるま、クリスマス、正月、お年玉、バレンタインデー、みかん、手袋、スキー、スケート……」


「こ、これはなんだ、幻聴か……」


「冬休み、ニット……」


「―――悪役令嬢!俺を惑わすな。俺は夏の想像しかしたくない……」


「こたつ―――」


「ああああああああぁぁぁ!」どたん!\\なだれ落ちる音。


「あら、こたつは強い」


「当り前だ!あの至福感……」


「そうそう。本当に最高ですわ」


「―――うっ、違う。夏!夏だ!」


「……」


「熱い白い砂浜に視界一面に広がる海……」


「まあ、たしかに気持ちいですわ……」


「だろ。夏祭りに夏休み。甲子園にハイビスカス!」


「うはっ、ハイビスカス……」


「どうだ、令嬢には日傘とハイビスカスが似合うぞ」


「い、いいえっ。わたくしは冬が好きですの……!」


「てか春と秋だったら?俺、秋だわ」


「春ですわね」


「絶対意見分かれるな」


「そうしないとこの話が成り立たないですもの」


「作者の陰謀か……」


「まぁそれはなにより、それそれの良いところをいいましたが、わたくしのほうが説得力があったでしょう?」


「いいや。おまえは数だろう。おれは全くちがう観点から見つけ出したぞ」


「……珍しく現代男子が優勢ですわ」


「珍しくってなんだよ!喧嘩売ってるのか?そんなやつ、いねーよな‼」


「パクってる」


「ちがう。物まねだ」

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