猫vs犬
「そう来たか―――」
「猫で攻めますわ」
「俺は犬だな」
「なぜ?」
「いやなぜもなにも、決まってんだろ」
「?」
「いや、だから……」
「?」
「個人的に犬が好きだからだよッッッ!」
「―――カッコつけようとして罰が当たりましたわ。おほほ。そこまでわたくしに気に入られたいのかしら?」
「んなわけあるか。一人でしゃべってても理由もなしに出しゃばったのは恥ずいわ!」
「ひとりで喋ってる方が恥ずかしくて?」
「……悪役令嬢め……」
「おほほ。もっともっと!」
「褒めてねーわ」
「あ。それでも、どういったところが好きですの?犬」
「うーん、改めて聞かれるとなぁ。甘えてくれるとこ、可愛いとこ、なんか友達っぽいとこ、とか」
「へぇ。そうなんですの。わたくしはしっかり言えますわ。猫ちゃんのいいところ」
「まるで俺の言い方が下手だったみたいじゃないか……」
「当たり前ですわ。しかし、そこまで読み取れていたなんて。えらいえらい」
「感情こもってないな。そういうお前も、好きなところって、言ってみなよ」
「えぇ。まず、いつもはツンツンしているのに、不意打ちで寄ってきてくれるところ」
「ここぞ、って時に来てくれないけど」
「うるさい。二つ。可愛いところ」
「犬もな」
「まあ、犬も十分可愛いのですけど。三つ、物静かで優雅なところ」
「お、おお」
「四つ、滅多に鳴かないから、鳴いているところを聞くと本当にうれしいところ……」
「も、もういい。十分わかりました……」
「あら、そうです?まだかなりありますけど?」
「いやほんとに結構です」
「まぁ、いいですわ。語りたりないですけど」
「俺もだよ。語れないけど語りたいんだよ‼」
「語彙力の差」
「そういうことじゃないだろ。直感的にびびっと好きな人と、しっかりじっくり考えて好きな人との差だろうが!」
「む?わたくし、しっかりじっくり考えてるタイプだと思われていますわ……」
「くそ。反論の余地がない」
「やっぱり語彙力の差ですわね」
――――――――――――――――――――――――――――
前回と同じく、皆さんにコメントから意見を述べていただきたいと考えています。
第2話以降も、同じような形式でご理解、ご協力していただきたいです。
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