幼馴染、魔王に魂を売って覚醒する☠️ 美夜視点

「……あたし、もう死のう」


 美夜は学校の屋上にいる。


 彼氏に振られ、陽キャグループから追放され、学校に居場所はない。


 湊からも見捨てられた。


「クソっ! 死んでやるっ! みんな後悔しろ!」


 と、飛び降りようとしたその時。


「待ちなさい。少女よ」


 美夜の前に、黒いローブを着た男が現れる。


 飛び降りる直前で、踏みとどまる美夜。


「……あんた誰?」


「私は七魔王の一人、ヴォイドロードだ」

「シチマオウ……? 何よそれ?」

「知らぬか。ずいぶん世界は変わったな」

「はぁ?」

「まあいい。少女よ、お前は今、絶望してるな」

「……ぜ、絶望なんかしてないわよぉ」


 図星だったから、美夜は少し弱くなる。


「お前に力をやろう」

「力って……何?」

「すべてを破壊する力だ」

「……もしかして、人とかコロシたりできる?」

「ああ。人の命などお前の思うがままだ」

「ふーん……」


 あたしはすべてを奪われた。


 全部、バカミナトのせい。


 あいつに復讐したい……!


「その力、くれるならもらっておくわ」

「よくぞ言った。お前を【虚無の眷属】にしてやる」

「え、何、待って……きゃあぁぃぅぁぁぁぁぁぁい!」


 美夜の身体が闇に包つつまれる。


「うっ……熱いっ……!」


 美夜の首筋に、六芒星の刻印が。


「我が眷属よ。勇者アリオスを殺せ……」

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