なぜか委員長に任命される

「委員長は大葉くんに決まりましたっ!  大葉くんは後で先生のところに来てください」

「あのー俺としては——」


 クラスメイト「パチパチパチパチ👏」


 俺の意見は完全無視……


 なぜか委員長に任命される。


『大葉くん、がんばれー!』

『すげえ期待してる!』

『委員長、優しくしてね……♡』


 どうしてこうなった?


 ★


「宮下さん、どうしてこの学校に?」


 職員室へ来た俺。


「私は大葉様の【国家指定専属侍女】です。大葉様のことを常にお守りするのが仕事です」

「いきなり担任の先生で来るのは——」

「これは任務なのです。大葉様の学園に潜入し、敵国のスパイを探すことが」

「学園にスパイなんているのか?」


 とても信じられる話じゃないが。


「はあ……大葉様は英雄級探索者です。もっとその自覚を持ってください。ゲート事件がニュースになったことで、各国の諜報機関が大葉様を狙っています」

「なるほどね。宮下さんがしたみたいに、俺のこと拉致する奴がいるかもしれないってことか」


 宮下さんがむすっとした顔をする。


「むぅ……意外と大葉様はイジワルですね。そんなこと言ってると、おっぱい触らせてあげませんよ」

「いや、別に触りたくないし……」

「ふっふっふ……いくら転生者とは言え、大葉様も思春期の男の子ですから。思春期男子を統制するために、この服を着てきたのです」


 宮下さんは胸を張る。


 妙にパツパツの服を着てるのはそういうことなのか。


「大葉様を委員長にすれば、こうやって接触しやすくなるかと」

「そういうことね」 

「たくさん放課後に、大葉くんを呼び出しますからね」


 別の意味に聴こえるのは気のせいだろうか……

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