普通の学園生活を送りたいのに

「大葉、テレビ見たよ! めっちゃすげえじゃん」

「昨日のダンジョン配信、面白すぎwww」

「投げ銭しといたよー」


 毎日、クラスメイトから配信の感想をもらう。


 これが俺の朝の日課だ。


 ダンジョン配信とギルドの任務があるけど、俺の本分は高校生だ。


 学園には、きちんと登校しないといけない。


「配信、見てくれてありがとう」

「「「大葉くんに感謝された……♡」」」


 特に女子から、やたらと声をかけられる。


「はーい。みなさん! ホームルーム始めますよ!」

「え? あなたは……」


 ……宮下さんが、教室へ入ってきた。


 いったいどういうことだ……?


『あんな先生いたっけ?』

『担任の田中先生は?』

『めっちゃくちゃ美人じゃん』


 ざわつくクラスメイト。


「みなさん、聞いてください。担任だった田中先生は、一身上の都合で他校へ転勤しました。今日からわたしがこのクラスの担任となりました」


 な、なんだって……!


「自己紹介しますね。私の名前は宮下みやびです。ダンジョン探索学を担当します。趣味はバイオリンです。みなさん、よろしくね!」


 いかにも先生ぽっく、電子黒板に名前を書く宮下さん。

 

『すげえ胸でかいじゃん』

『あのおっぱいを揉みたい……!』

『いろいろ楽しくなりそうだ。ぐへへへっ』


 クラスの男子たちにはかなり好評のよう。


「さっそく、今日のホームルームでクラスの委員長を決めようと思います。誰かやりたい人!」


しーん……


「誰もいないですか……なら、適任の人をみんなで推薦してください」


『大葉くんがいいと思います!』

『一番強い大葉くんが最適です!』

『イケメンの大葉くんに委員長やってほしい♡』


 おいおい……



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