マスターゲートは俺しか閉められない

「どうかお願いしますっ……! 大葉さんだけが頼りなんですっ!」

「お願いしますっ!」


 黒崎大臣と、後ろのスーツの男たちも土下座。


「大葉様……あたしからもお願いしますっ!」


 宮下さんも土下座。


「いや……みなさん、頭を上げてください。その、まず俺への依頼って何ですか?」

「そうでしたね。すみません。日本存亡の危機なので、つい焦ってしまいました……ご説明します」


 すっと黒崎大臣が頭を上げた。


 いきなり土下座は逆にかなりビビる……


「実は……先日のゲートと関係がある話でして……」


 俺と黒崎大臣はソファに座る。


「最近、ゲートが世界中に出現していまして、モンスターが人を襲うようになったのです」

「マジか」

「ゲートの存在は隠してきたので、一般の国民は知りません。我々ダンジョン省は、秘密裏にゲートについて調査していました」

「こないだの事件でゲートのこと、バレたよな」

「はい……で、実は日本にゲートの根源があることがわかりまして」

「ゲートの、根源?」

「ゲートの発生源となっている、マスターゲートがあるのです。マスターゲートを閉じないと、ゲートの出現を止められません」


 ゲートを生み出すゲートの根源、それがマスターゲートというものらしい。


 で、根源たるマスターゲートを閉じないと、ゲートの出現を止められない。


「そこで、マスターゲートを閉じるために、日本唯一の英雄級探索者である大葉さんの力を借りたいのです」

「なるほど……」

「マスターゲートは、裏ダンジョンの最深部にありますす。そこまで行き、マスターゲートを守る神話級モンスターを倒せるのは大葉さんしかいません……」

「俺が裏ダンジョンのボスを倒せばいいのか」

「はい……お願いですっ! 日本を救うために——」

「あの、土下座はもういいですから」

「すみません、つい……」



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