政府高官から土下座される※しかもガチなやつ

「大葉様、あたしに着いてきてください……」

 

 永田町の国会議事堂。


 ベルベットのふかふか絨毯を歩く。


「この部屋で、ダンジョン大臣がお待ちです」

「……そんな大臣、いるの?」

「知らないのも無理ありません。日本を影で動かす【裏内閣】の閣僚です。その存在はSSS級国家機密となっています」

「へえ……」

「裏内閣は、外国やモンスターから日本を守るために活動しています。その存在を日本で知る者は、20人しかいません」


 とにかくすごい偉い人が、このドアの向こうにいるってことか。


 たぶんイカつい感じのオッサンだろう。


 少し緊張する……


 ガチャ……!


 ドアが開いた。


「はじめまして。私がダンジョン大臣の黒崎セツナです」


 想像と違いすぎて驚いた。


 オッサンではなく、女性。


 しかも、割と若い美人だ。


 長いきれいな黒髪と、ぱっちりした瞳。


 ブラウスから大きな胸が、激しい主張をしていて。


「お願いしますっ……! どうか我々を、日本を、助けてくださいっ!」


 黒崎大臣が——土下座した。


 額を床にピッタリとつけた、ガチな土下座。


「いや、いやいやいや……頭を上げてください」


 突然の土下座に、俺も戸惑う。

  

 しかも一国の大臣に土下座されるのは、あまりにも恐縮すぎるというか。


「もう日本を救えるのは……大葉さんしかいませんっ!どうか、どうか……助けてくださいっ!」



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