俺氏、ニュースになる

「……大葉様。本人の意思で奴隷になるなら問題ありません」

「ていうか宮下さん、なんで俺の家にいるんですか?」

「わたしは大葉様の【国家指定侍女】です。大葉様の行動はすべて把握します」

「いや、それ理由になってないし……」


 疲れて家に帰ったら、


 女の子が4人と、宮下さんすでに俺の家に。


 狭い1LDKの家に、女の子が5人——


「アリオス、勇者のくせにこんな汚いところに住んでいるの?」

「湊様のお家……初めて来ました」


 ヴェラとぴかりが入ってきた。


「なんでみんな俺の家に……?」

「大葉様は英雄級探索者です。政府支給のマンションに移りましょう」


 ★


 都内の一等地。


 政府支給のマンションだ。


 防音設備もあって、配信もやりやすい。


「大葉様はここに無料で住めます」

「マジか」

「湊様! 本当にすごいです! 普通なら家賃月100万はしますよっ!」

「やったー! アリオスとここに住めるぞ!」

「なんで俺と住むことに……?」


 なんか勝手に住むことになってるし。


「テレビも大きいですね」

「ジャグジーもあるわ!」

「サウナもついてる!」


 ぴかりと(自称)奴隷の女の子たちがはしゃぐ。


 ていうか、なんでついて来た?


「テレビつけてみましょう!」


 ぴかりがテレビをつけた。


『渋谷探索者高校1年、大葉湊くんがゲートを閉じました……人類史上、誰も閉じることのできなかったゲートです』


 昨日の映像と、


 俺の実名がニュースに。


「すごい! 湊様がニュースになってます!」

「「「「ご主人様、さすがです♡」」」」


 ……ヤバい。目立ってしまった。 

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