誰かゲートを閉じてくれええ!(閉じるだけでいいの?

「はあ……なんでこんなことに」

「ため息をつくな! もっと楽しくしろ!」


 ヴェラにせがまれて、街を案内する俺。


【あの子、めっちゃくちゃかわいい】

【お人形さんみたい】

【隣の男、お兄ちゃんかな?】

【違うだろ。顔全然に似てないし】


 ……ブサメンで悪かったな。


「アリオス、あれは何だ?」

「あれは……ソフトクリームだな」


 ソフトクリームを売ってる屋台を見て、


 ヴェラの目がキラキラする。


「あたしもアレ、食べたい」

「うーん、また今度なー」

「食べたい食べたい食べたい食べたい食べたぁぁぁぁぁぁい!!」


 めっちゃくちゃ駄々をこねるヴェラ。


【おい。小さい子泣かしてるよ】

【虐待じゃん】

【泣いてる姿もかわいいな】


「わかった。買ってやるから」

「アリオス! やっぱりお前は【心の友】だぁ!」

「はいはい」


 ソフトクリームを買ってやる。


「甘くて、冷たい……おいしい。じゅるじゅる!」


 むしゃぶりつくヴェラ。


「おいおい、そんなに勢いよく食べたら——」


「きゃあああああああああ!!」


 悲鳴。


 人々がこっちへ逃げてくる。


「逃げろ! モンスターが襲ってくる!」


 ピピピっ……!


 宮下さんからだ。


『大葉様、ゲートが開きました!』

『ゲート?』

『ダンジョンから地上へモンスターを解き放つ、門です」


 宮下さんによると、


 普段、モンスターはダンジョンの外に出てくることはないが、


 ゲートが開くと、地上へモンスターが出てくるそう。


『100年前に開いて以来、ゲートが開くことはなかったのに……』

『開いたなら、閉じればいいんじゃ?』

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