後編 決着の時

"転校生の桃子は青田鬼吉といじめっ子の四人に


体育館の裏に呼ばれ 決着をつける時がきました。


それを知った クラスメートの 鳥井さん、犬飼くん、猿谷くんが仲間になって一緒に戦ってくれる事に......


でも なぜ急に仲間になってくれるのか 不思議に思い桃子は聞いてみた。


「どうして急に戦う気になったの?」


「......」三人は 顔を見合わせ 一瞬無言になったが 犬飼くんが口を開いた。


「六年の一学期の頃は クラスも穏やかで みんな仲が良かったけど 二学期の始めの頃に 鬼吉の


お母さんが事故で亡くなってから 少しずつ鬼吉が変わってきて だんだん話さなくなって クラスのみんなも だんだん離れていって 僕たちも 鬼吉に


なんって言っていいか分からなくなって もう その頃には 手がつけれないくらい鬼吉が荒れて でも、小川さんが一人で鬼吉に向かっていくのを見てると鬼吉もどうしていいか分からず一人で悩んでたかもしれないのに 僕たちはなにもしないでいるのはダメなんじゃないかって 昔みたいに戻れたら......ごめんね......何が言いたいのか分からないよね......」


「分かったよ(^-^)」


桃子は なんだか嬉しそうだった。




桃子たちは、どう戦うか作戦を練ることにした。


作戦は 小学生ならでわの戦いに しようと言う事になりました。


題して ドッチボール大会少人数編 勝手も負けても恨みっこなし作戦!


「作戦も決まったから 戦の前の腹ごしらえ しようか」桃子が おばあちゃんに作ってもらった


おにぎりを みんなに渡した。


鳥井さんが


「小川さんって なんか 面白いね!」


そういって みんなで笑った。




「じゃ、腹ごしらえもしたし 行きますか!」


「おー!」拳を握り 空に向けて みんなで一つになった。




いよいよ戦いのクライマックス 桃子たちは


体育館裏に到着!


そこには、鬼吉といじめっ子の四人が 待ちくたびれてた。


「おそいんだよー!」イライラしながら鬼吉が叫ぶ。


桃子は お構い無しに言った。


「小学生らしく ドッチボールで 決着をつける!」


案の定 鬼吉が


「はぁーん?お前なめてんのか?」激怒した。


桃子が挑発的な態度で攻める。


「へぇー ボール怖んだー!ふーん......じゃ、やめる?泣いて謝ったら やめてもいいよ!」"

ニンマリ笑った。


「はぁーん?大得意だわ!お前らこそ 小便チビるなよ!」




「じゃあルールを説明するから


まず、外野をチームで一人決めて 中は三人 ボールを当てるのは 相手チームの三人 当てられた人は そこで終了になるんだけど 外野の人が中にいる人を当てる事が できたら 当てられた人の中から選んで 戻す事ができる 外野は外野のまま 以上!」普通のドッチボールと少しルールを変えてやる事にした。


「分かった!あっと言うまに 終わらせてやるよ!」鬼吉たちは 勝つきまんまんだった。




じゃんけんで ボール取りを決めて 試合開始!


ボールは鬼吉チームが取った。


桃子チームの外野は鳥井さんがやる事に......


緊張の中 始まった!




お互いに一歩も譲らず


当てられては 復活し ボロボロになっても やり続けた。辺りは 暗くなり みんなの限界もやってきた その時 みんなの親たちが 心配して学校まで


迎えに来てくれた。子供たちの姿を見て 怒る お父さんやお母さん 心配して泣く お母さん


白熱した戦いが 呆気なく 幕を閉じた......


みんなが個々に 帰った後 鬼吉と桃子だけが残った。


「お前の親は 迎えにこないのか?」


鬼吉が聞いてきた。


「うーん......年寄りだから 家で待ってると思う......あんたは?」


「親父は 仕事で まだ帰ってない......お前なかなかやるな!」


照れながら笑った。


「あんたもね!」


二人 顔を見合わせて 笑った。




「あっ!おばあちゃん!」桃子が驚いた。


向こうから ゆっくりゆっくり歩いてくるのが見える。桃子が駆け寄ると ポンッと 頭をコツいた。


「心配させおって......」


「おばあちゃん ごめん......アイツが話てた


鬼吉 お父さんが仕事だから 家に連れていっていい?」


「いいさ。」


桃子は 嬉しそうに


「鬼吉 うちいくよー」と叫んだ。


鬼吉は嫌がってたけど おばあちゃんが 強引に


「行きますよ!」手を引いた。


鬼吉は シブシブ 桃子の家に行く事になってしまいました。




桃子の家に着いたら 玄関の前で おじいちゃんが待っていました。


桃子は おじいちゃんにも 謝って 鬼吉の事を話して家へ


夕飯ができるまで 桃子の部屋に行く事に....."


"桃子の部屋は ベッドと机があるだけで 案外 殺風景でした。


鬼吉がふと 机に目をやると 写真が飾ってあるのが見えたので 写真を手にして


「これ お前の親?」って聞いてきた。


「うん!」


「ふーん......お前の親も仕事で遅いの?」


「死んだ」


「えっ!......」


鬼吉は 言葉を失った......




あれから 夕飯の時も鬼吉は 何も話さなかった。


お父さんが迎えにきて 帰る時に 桃子にボソッと


「悪かった......」申し訳なさそうに謝る。


「友達だから 気にするな!」鬼吉の背中を軽く


叩いて おどけて見せる桃子


「おー!明日 学校で」


鬼吉も笑顔で 手を振り 帰って行った。




この物語は 最後に 鬼吉の心にできた鬼を 退治した話だとさ!おしまい"


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現代版 桃太郎(小学生バージョン) 小石川弥生 @mk4677

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