第245話 第3の大ボス その4
中ボスの亡霊が現れ、様々な魔法を操ってくる鬼の中で一体と戦ったことがあるヨミは少し苦戦すると思っていた。
しかし、現実はーーーー
「なんだ? 魔法を全く使って来ないな? 腕力は高いみたいだが」
「あの鬼の強みは魔法よ。なのに、劣化した鬼を出してくるなんてどういう意味かしら?」
ヨミが想像していたのと違い、鬼達は魔法を全く使って来なく、腕力だけの攻撃ばかりだった。雷豪風塵鬼に関しては雷と風の鎧さえもなくて普通にダメージを与えられた。
「流石に運営も大ボス戦に万全の中ボス4体も出すのは憚れたんじゃないか?」
「…………そうかもね」
理由はわからないが、魔法を使ってこない劣化鬼なら苦戦することはない。
(大ボスが本題だから倒した後は警戒ね。中ボスが弱かった分、大ボスの強さが読めないけどね…………)
10分後、中ボスの強さはヨミが思っていたより弱かったようで全ての中ボスを倒すのに10分しか掛からなかった。
「よし、他も倒し終わったみたいだぞ。しかし、大ボスが何も動かなかったのは不気味だがな」
「第2のボスは武器が増えていたものね。おそらく、第3の大ボスはーーーーー」
『全ての亡霊が倒されました。亡霊達は邪鬼王と共に1つになりますーーーー』
やっぱり。ヨミが想像していたのは融合だった。
邪鬼王に倒された亡霊達が吸収されて、形が変わっていく。ポケ◯ンのカ◯リキーみたいに4本腕に増え、日本でも有名な雷神みたいな姿になっていく。背中から輪っかが生え、5つの太鼓が並び始めた。
「太鼓に『火』、『土』、『氷』、『風』、『雷』が書かれている……! あの形態から叩いて発動かもしれないわ!!」
「そうかもしれないなっ! お前らも太鼓を叩き始めたら避けろよ!!」
わかりやすい攻撃方法だが、形態から間違ってはいないだろうと皆に指示を出すジュン。
ヨミとジュンの考察は間違っておらず、邪鬼王が『火』を叩き始めると大量の火玉がヨミ達へ襲う。
「っ、軽く叩いただけでほぼ上級クラスの魔法!? ジュン! 非戦闘者を優先に『リザレクション』を!!」
威力を見たヨミは非戦闘者が危ないと判断し、この戦闘で一度だけ生き返れる魔法を使わせるようにと指示を出した。
「やっべえな。武闘者から魔導士へジョブチェンジかよ」
「でも、防御力は武闘者のままくさいね♪」
「おそらく、第3の目も変わってない筈。『夜天月斬』!!」
試しと言うように『夜天月斬』でまだ第3の目が開いていない内に攻撃をしたが…………
「やっぱりね」
ダメージを与えられた様子はなかった。つまり、今後は魔法の嵐の中で生き延びながら第3の目が開くのを待つしかないことになるーーーー
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