第241話 邪鬼王



 ヨミが呼んだのは『激裂鬼夜羅死苦』のチームであり、タンク2人、アタッカー2人、ウィザード1人、ヒーラー1人がいる。


「お前らと組むとか想像してなかったぜ」


「私達と組んでも気にしなそうだと思ったから呼んだのよ。私達の活動とは関係ない大ボスの討伐ならね」


「確かにな。レッドやイエローになるような活動なら断っていたが、大ボス討伐なら問題ない」


「初めてになるかな。大会でヨミとの戦いを見ていたが良いプレイヤーだ。俺はジュン、今回は宜しくな」


「む、確か3位の奴だったな。よく見ると2位もいるじゃねぇか! 上位入賞が3人もいるなら俺等の助けはいらないんじゃねぇか?」


 大会で上位入賞した物が3人もいれば、『激裂鬼夜羅死苦』の助けはいらないかと思ったルダンだったが、ヨミは否定する。


「そんなことはないわよ。私達にはタンクがいないから非戦闘者、生産者を守れる者がいないのよ。その役目をお願いしたいのよ」


「そうなのか。非戦闘者は……」


「よ、宜しくお願いします!」


「すまないけど、お願いするわ」


「僕もそうですね」


「私も守って貰う側になるわね」


「レッドやイエローになってない奴らだな。って、中学生っぽい奴もいんのか……」


 マミを見て中学生がいることに驚くルダン。中学生はPKに関われないので犯罪者ギルドにいることに信じられないようだ。


「マミはまだ中学生だけど、闇商人として活躍してもらっているわ。あ、他の人にはグリーンがいることをバラさないでね?」


「あぁ、お前らも黙っておけよ。今回はレイドだから他に入れて貰えるパーティがいるかわかんねぇし、レッドやイエローの活躍とは関係ないからバラすことはねぇ!」


「「「「「おう!」」」」」


「そうね、マミ! 商品は持ってきている?」


「はい! いつでも商売出来るように持ってきています!」


「なら、今回だけいつもの半額で売ってあげなさい」


「良いんですか?」


「構わないわ。守って貰うことになるから私達の為になるわ」


「はい! わかりました!」


 プレイヤーから手に入れた武器や防具をルダン達に半額で売ってやる。


「マジかよ! 良い物を半額で売ってくれるのか! お前ら、強化しておけ!」


 お互いの為になるのでルダンも好意に甘えることにした。






 ルダン達とは大ボスの扉前で合流していたので、すぐ入れる状態になっている。


「準備はいいわね?」


「おう、構わねぇよ」


「レイドだから体力バーは10本以上あると思った方がいい。アイテムの準備はいいな?」


「大丈夫ね?」


 皆に問題はないかと聞き、全員が頷いたのを確認したのと同時に扉が開かれる。扉の先にいたボスのモンスターはーーーー




 邪鬼王 レベル80




 黒い煙を纏う巨大な鬼が立っていた。全員が入ったのと同時に叫び声が響き立つ。




「ギガァァァァァァァァァ!!」




「拡散! 早速、ヘイトを取るわよ!」


 攻撃隊であるヨミ達は非戦闘者に攻撃されないようにすぐ動いてヘイトを取ろうとする。






「『乱月光波』!」






 ヨミの魔法により、大ボスとの戦いが始まる開戦となるのだったーーーー







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