第237話 vs冷血の雪女 後半



 ヨミとカロナは体力バーの鎖を外すことが出来たが、吹雪が更に強くなり寒気も感じてきた。


「……薬の効果はまだ続いているんだよね?」


「そうなんだけど、多分寒すぎて限度を越えちゃっているかも♪ 早めに倒さないと凍傷の状態異常で動きにくくなるわ」


「魔法もあまり通じない時にこれは面倒ね。ピクトとアルバドムにも手伝って貰って早めに終わらせる!!」


 雪女はまだ宙に浮き、魔法を唱えているように見える。その隙にピクトとアルバドムを召喚した。


「ピクト! 本気で放ちなさい!!」


 ヨミの命令通りにピクトは『複合破壊放射』の発射準備を始める。

 しかし、最初に放たれたのは雪女の魔法だった。


『スベレ、『アイスフィールド』』


 雪女が発動した魔法はこのフィールド全体を摩擦がない氷の床にする。それによって全員が立つことも出来ず、滑ってバランスを崩して座り込むことになる。足が多いピクトでさえバランスが取れずに滑ってしまう。


「普通の氷の床じゃない!?」


「ヨミ! ピクトを止めて!!」


「ッ! 中止よ!」


 カロナが慌ててピクトを止めるように言ったのはピクトが発動準備していた『複合破壊放射』が照準を取れずにこっちへ向かわれたら危険だからだ。


『フエロ、『アイス・ダイヤモンドダスト』』


「増えた……いや、幻影ね」


「これは持久戦だね。長引くとヤバいかも♪」


 冷血の雪女は持久戦狙いのモンスターであり、攻撃方法は少ないがデバブやフィールドの変化により相手をじわじわと追い詰める。

 長引くとこっちが吹雪による凍傷の状態異常で体力が減っていくことになるので早めに倒さなければならない。




「確かに面倒な敵だけど、相手が悪かったわね。アルバドム!」




 動くのはアルバドム。アルバドムなら魔造人形なので吹雪によるダメージや状態異常は受けないし、飛べるので『アイスフィールド』の影響もない。

 更にーーーー




「アルバドムは雪女の弱点を突ける。火炎魔法『ヘルファイア・ブレイカー』よ!」




「………………」




 アルバドムは喋れないがヨミの言う通りに雪女に向けて『ヘルファイア・ブレイカー』を発動した。その魔法は広域殲滅魔法なので『アイス・ダイヤモンドダスト』で幻影を見せられようが全てを破壊すればいい。

 巨大な火炎玉を生み出し、爆発させることで全ての雪女を巻き込む。


「レベル100 が放つ魔法よ。流石に生き残れないでしょ?」


 アルバドムはレベル100なので、魔法の威力は桁外れだ。強いが命令をいちいちしないと動かないのが欠点であり、視野が広い人が命令を出さないと本領を発揮することが出来ない。

 しかし、その欠点を持っても強い。




「よし、倒したわね」




 一撃で冷血の雪女を倒し、ドロップアイテムを手に入れていたのだったーーーー





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