第238話 消えた称号
制限があるアルバドムだが、レベル100もあればレベル50程度のモンスターでは弱点攻撃には耐えられなかったようだ。
「欲しいドロップアイテムはちゃんと手に入れてある?」
「大丈夫みたい」
頼まれたドロップアイテムはちゃんとアイテムボックスに入っていた。
〈白雪の布衣〉
装備みたいな名前だが、ちゃんと素材のようだ。手に入れたのを確認し、街へ戻ることに。途中で手に入る必要なドロップアイテムも忘れずにカロナと協力していく。
(そういえば、エルフの集落以来からはステータスを確認してないわね。レベルしか見てなかったし、何か変わっているかしら?)
殆ど変わってないだろうと思いつつ、ステータスを確認してみる。
「…………あれ?」
違和感を感じた。新しいスキルが増えてステータスも上がっているが、何か足りないように感じていた。
(…………あ! 称号が減っている!)
良く見たらすぐ気付いた。称号の数が合わないから減っていることがわかった。
(『ルルイエ教の敵』が消えているわ。どうして? 無くても問題はないけど、時間で消える称号だったのかしら?)
「どうしたの♪」
「……称号って時間で消える物もあったっけ?」
「それは聞いたことがないな♪ え、何か消えちゃったの?」
「無くてもいい称号だったからいいけど。デメリットしかなかったし」
「んん? デメリットしかない称号?」
「実はね…………」
徒歩中に称号を手に入れた経歴を話し、称号の効果を教えたらカロナは納得したように頷いた。
「成る程ね〜♪ その称号が消えたならいいじゃない?」
「でも原因がわからないままのは気になるじゃない。今回はどうでもいい称号だったからいいけど、他のは消えたら困るような称号ばかりだし」
「あ〜、確かに。突然に消えたら怖いね…………もしかしたら、ルルイエ教って奴が無くなったからじゃない? それだったらいない者に嫌われる称号なんてあってもないモノよね?」
カロナの閃きにヨミも納得した。
(……確かに、この世からいなくなったら称号の意味がなくなるよね。つまり…………誰かがルルイエ教の本体を潰した?)
ルルイエ教。ヨミがたまたま見つけて暇潰しに聖女と呼ばれていた女性を暗殺した。面白いことになるかと期待していたが、まさか知らない内に消えるとは思わなかった。
(……まぁ、あっさりと消えるならそこまでの敵だったのね。どうでもいいか)
ヨミは既にルルイエ教への興味が失せて、ドロップアイテム集めに集中するのだったーーーー
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