第227話 神の試練
この日が来た。神から加護を得られるイベント、全てのプレイヤーが必ず手に入るようにと期限がないイベントとなっている。
ここまで過ごしてきた過程から加護を貰える神が絞られて、そこから選択することになるが、プレイヤーにとっては損はしないようにとなっている。
そして、既に加護よりも上位の寵愛を貰っているプレイヤーが2人いるが、そのプレイヤーにも神からの試練がある。寵愛を受けているプレイヤーであるヨミとネルはーーーー
「来たわね」
他の仲間は既に神を選択しており、試練を受けに外へ出ている。ギルドにはヨミとネルしかいなかった。皆に遅れて数分で女神イルミナからメールが来たとこだった。
「……うん。私は討伐系だった」
「あら、私と内容が違うわね。私は……探索系と言えばいいかしら」
ヨミとネルで試練の内容が全く違っていた。ネルはシンプルな討伐系に対して、ヨミは第一のフィールドにある『聖地の奥地』へ向かい、祠に〈甘蜜の林檎〉を供えよと。〈甘蜜の林檎〉は『聖地の奥地』へ向かう途中で採れる物なので、そんなに難しい物ではないようだ。
「う〜ん、簡単すぎない?」
「……私のも簡単そう。レベル30の敵みたい」
「難易度を甘くしてでも、プレイヤー全員に加護を与えたいようね。このイベントも第四のフィールドに向けての強化みたいね」
ダンジョン、加護といい、プレイヤーを強化させるようなことを進めていることから、第四のフィールドはどんな難易度になっているか気になってくる。
いきなり、レベル50以上の雑魚が出てくるとは思えないけど…………準備はし過ぎても損はないだろうし。
ヨミはこの試練を終わらせたら、やりたいことが1つあるのでさっさと試練をやっていこうて決めた。
「私は行くわね」
「……うん」
2人も外へ出て、それぞれの試練を受けに行くーーーー
「こんな場所もあったのね」
メールに地図が記載されており、その場所へ向かうと大量の果物が実っている森へ着いた。目的の場所である『聖地の奥地』はまだ先にあるが、〈甘蜜の林檎〉を供える必要があるから、此処で見つけておかなければならない。
色々な種類があるわね……。見つけるの時間が掛かるかも?
様々な種類が実っており、中から一つの果物を見つけるの骨が折れそうだなと思った先にーーーー
「ん、んん? あの赤いのは……あ!!」
チョロチョロと見渡していたら、見慣れている形、色の果物を見つけた。もしかしてと思い、近づくと想像していた果物を見つけた。
「あっさりと見付けたわね。1個で良かったかしら…………む?」
低い位置にあった林檎を手にしたヨミだったが、林檎を鑑定したら〈普通の林檎〉と出た。
これじゃない? 林檎は林檎だけど、名前が違うわね。
見つけたのはただの林檎で、目的のと違った。まだ木に実っている林檎を鑑定していくが、〈甘蜜の林檎〉と言う名は見当たらなかった。
「もしかして、違う種類の林檎があるとか? それとも、レアだったりするかしら……?」
最初は簡単過ぎる試練だと思ったが、予想もしていない方向から大変そうな雰囲気を感じ始めた。つまり、試練は見つけるのが大変な内容でヨミはどう動くか見られているのか?
でも、時間制限はないよね。ここにあるなら時間を掛ければ見つけは出来る筈。って、イルミナは試練で何を見たいのか? …………希少な美味しい林檎が食べたかっただけだったりして?
色々考えてみたが、わからないのでとにかく行動することに。林檎が生っている木を鑑定し続けて行くのだった。
「久しぶりね、あの敵。やっぱりあの顔は笑えるわ」
探している途中で、あるモンスターに出会った。ここは第1のフィールドなので敵のレベルは低いから無視するとこだが、懐かしい顔に足を止めていた。
そこにいたのは厳つい顔をしたゴリラ、『ゴルゴリア』がいたのだったーーーー
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