第210話 神々の遊戯



 今度のイベントはプレイヤー達が神の加護を受け取ることが出来る。

 その為には、それぞれが適した神々から選び、クエストを受け取ってクリアさせる…………と言う内容になっていた。




 神は8柱いるのね…………あれ、イルミナも女神なのに名前が載っていないわね?




 イベントの内容を確認したヨミが気になったのは、イルミナも神の1人なのに、イベントに関わっていないのかと。

 皆もそれに気付いたのか、ウィンドウから顔をあげていた。


「……女神イルミナがいない?」


「多分だが、女神イルミナが最上神であり、このイベントに出てくるのはその部下である……と言うことじゃねぇかな」


「つまり、女神イルミナよりも格が落ちると」


「加護を貰ったらステータスが上昇すると書いてあるけど、ヨミとネルみたいに珍しい魔法を貰える訳でもないか」


「それでも、ステータスが上がるならやらない理由はないよね♪」


「あ、でもヨミちゃんとネルちゃんは女神イルミナの加護を持っていますよね? 2人はどうなるの?」


「正確には加護と言うより、『女神イルミナの寵愛』よ。多分だけど、寵愛の方が加護よりも上じゃない? 魔法を貰っているし」


「……私達はイベントでやることはない?」


 イベントで手に入る加護は1人に1回だけ。既に女神イルミナから気に入られている2人はどうなるかは…………と思った先に、ヨミとネヴィルアが同時なメールを受け取った。

 同時にメールが来たと言うことは…………






「うひ、また女神本人からメールが来たわ」


「……こっちも」


「「「「「!?」」」」」


 メールの送信者は女神イルミナからだった。その内容とは、元から持っている『女神イルミナの寵愛』のことについてだった。




「ふむふむ……成る程ね。女神イルミナからもクエストがあるみたい。クリアすれば、『女神イルミナの寵愛』が強化されるわ」


「……クエストはイベントが始まるのと同時にメールが来るみたい」


「なら、ヨミとネルもイベントに参加出来る訳だな。俺達はどんな神なら選択出来るかは当日にならないとわからないが、やらない理由はないわな」


「今までの行為から選択出来る神が決まるみたい♪」


「でしたら、皆が似たような選択になりそうですね」


「レッドやイエローとかで違いが出るかもな」


「8柱しかいないから、大きく違うことはないと思うけど」


「私は物作りで手先が器用になれる神が良い~」


 当日にならないとどの神のクエストを受けられるかわからないが、自分に合いそうな加護を持った神が誰なのか調べることは出来る。


「このイベントは新規のプレイヤーでも楽しめるようにクエストは簡単なモノにされているだろうな」


「私達は違うけどね」


「そりゃ、強化されるんだから難易度は高くなるだろうが…………待てよ、加護を手に入れた後にまたクエストが来る可能性はある訳か?」


「あー、あるかもね♪」


「確かに。2人だけが1段階の上へ強化されるのはおかしいですね。なら、加護を手に入れた後にその加護を強化させるクエストが来るのは有り得ないことはないですね」


 ルイスが言うように、このまま2人だけが強化出来ることになれば、他の人との差が広がったままでそれを運営が許すとは思えない。つまり、ヨミやネヴィルアのように特別な魔法を手に入れるまではなくても、2回目のクエストが発注されて1段階と強化させることは有り得る。




 ダンジョンや神の加護と言い……プレイヤー達を強化させるイベントが続いているよね。




 ここまでされたら、運営の狙いがわかってくる。このままでは第4のフィールドでは厳しいと判断しているからプレイヤー達を強化するようなイベントをしている訳だ。

 この考えが合っているかわかるのは第3のフィールドにいる大ボスを倒してからだが…………



 まぁ、今は慌てることはないわね。大ボスはイベントが終わってから挑むことにしようーーーー







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