第200話 ニートは暇



 ヨミ……美世は暇を余していた。




 一日中もゲームをしていたら、すぐに飽きてしまうし疲れる。だから、廃人みたいなレベルでログインをしている訳でもない。

 ゲームをしていない美世が何をしているかは…………




「う~ん、暇ぁ……」




 ゴロゴロしていた。今はまだ昼過ぎだが、家事も全て終わっていて、ゲームは気分でもなかった。つまり、ニートである美世は暇を余していたのである。

 こんなに暇ならすぐ別の仕事を探すのもいいが、美世は最低でも1年間は絶対にニートをすると決めていたので、今は仕事を探すつもりはなかった。

 ブラックな会社で働いた反動でこうなっているが、暇な時間はちょっと勿体ないと思う美世であった。




 他の人はまだ仕事中だし……1人で出来る他の趣味を探してみる?




 そう思い、すぐゴロゴロするの止めてパソコンに向き合った。


 スポーツはお金が掛かるし、時間も取られそう。ウィンドウショッピングは余計な物を買いそう。映画館で鑑賞……月に1、2回で充分よね。レンタルはいいけど、少しは身体を動かしたいよね……


 色々なサイトを巡って、目についたのがーーーー




「あら、近くにジムが出来たのね。プールもあって、結構大きいわね……」




 家の近くにジムが出来ていて、結構大きめに作られているようだ。軽く運動をしたいならプールで泳ぐのもアリだと思い、詳細を確認してみた。


 え、今なら新規は一年間の契約であれば、半額になる!? 新しい建物で色々な設備もあるのに、これだけ安いなんて。


 金額を確認したら、思ったより安かった。設備も色々あって、一年間契約しても三日坊主になるようなことにはならなそうだったので、ジムにしようと決めた。


「決まりね! えっと、必要な物は……」


 プールもあるので、競泳水着とかも必要なので買い物へ行くことに決めたのだった。







「うん、必要な物は全部買えたわね。早速、行ってみよう!」


「あ? 美世じゃねぇか」


「……あら、潤? サボり?」


 今は家から結構離れた場所にある百貨店にいて、何故か仕事中である筈の潤がいたのだ。


「サボりじゃねーよ。営業帰りでちょっと休憩をしているだけだ」


 潤はスーツを着ていて、営業に持っていくようなカバンを持っているのがわかった。サボりではなく、営業帰りで百貨店の中にある喫茶店へ寄るつもりだったようだ。


「ん、買い物か?」


「そうね。近くには良い競泳水着がなかったからね」


「競泳水着? もう10月になるが……あ、温室プールか?」


「家の近くにジムが出来たから、暇な時間に通ってみようと思ってね」


「そうか。暇な時間が出来たしな……おっと?」


 軽く雑談をしていると、途中で潤に電話が来て、中断された。潤は携帯を取り出して画面を見ると顔を歪めた。


「げっ、部長からかよ……すまんな」


「構わないわ。私はもう行くわね」


「あぁ、またな」


 上司からの電話が来たので、長くは話せないだろうと思い、美世はここでさようならをすることにした。買い物は終わったので、そのままジムへ向かうことにするのだったーーーー






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