第133話 第3回イベント ジュンvsネヴィルア
勝ち上がったヨミは個人の待機室に戻っていた。次の準決勝を観戦しようと思ったら、運営から発表があった。その内容は…………
あら、アルベルトが失格ねぇ……まぁ、まだ始まっていなかったのに、スキルを使われたからね。
内容は誰も納得することで、司会者が合図を出す前に相手へスキルを使ったことにより、アルベルトは第3位決定戦へ進むこともなく失格となった。
しばらくしてから、運営からお詫びのメールが来て、イベント終了後に賠償品が贈られることになった。
運営からの発表も終わり、次の準決勝が始まった。ジュンが出ている試合で、相手は不気味な人形を抱えた女性。黒いが、神官服を着ているからジュンと同じ神官である可能性は高い。
最初の試合では圧倒的な数の暴力で終わってしまったから、女性本人の力はまだ未知数だが、ジュンがあっさりと負けるのは想像出来ない。
『次の準決勝を開始します! 『ジュン』と『ネヴィルア』の戦いになります。お互いが神官でありながらも、集団戦も個人戦も勝ち上がってきた強者です! どんな戦いを見せてくれるのでしょうか!?』
ジュンとネヴィルアは神官で個人戦には向かない職業なのだが、強者を決めるイベントで勝ち上がっている。クイナが言った通り、どんな戦いを見せてくれるのか、ヨミも楽しみにしていた。
そう、楽しみにしていたのだが…………
《ジュン視点》
「ネヴィルアだったな。悪いが、俺が勝たせて貰うぞ」
「…………」
「無視かよ」
ジュンが話し掛けるが、ネヴィルアは聞いている様子もなく、ボーっとしていた。
何を考えているかわからず、手に持っている人形も相まって不気味だった。
『ーーーースタート!!』
始まった! 確か、大量の人形を操っていた。数で攻めて圧殺する戦法で来るなら、数が揃う前に本人を倒す!!
合図が出た瞬間、ジュンはハルバートを持って突撃していく。神官の動きではないが、ジュンにとっては得意な戦法で、速攻の攻めで行く。それに対して、ネヴィルアは最初の試合みたいに人形を出すこともなく、右手を差し出すだけ。
魔法か!
神官であるなら、魔法を使ってくることも予測していた。神官なら光魔法と回復魔法に優れるが、他の魔法だと魔術師よりも威力が落ちる。魔法に対しての耐性が高い神官なら、どの魔法を使われてもダメージを無視してネヴィルアの懐へ入ることが出来る。
そう、普通の魔法ならーーーー
「……陽光(ようこう)魔法『透熱陽光(サンシャイン)』」
聞いたこともない魔法。その魔法は右手から放たれ、オレンジ色の光がジュンを包み込んだ。防御1つもしなかった自分の体力バーが一気に真っ白へなっていくのが見えたジュンは呆気に取られ、始まって数秒で舞台から退場するのだったーーーー
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