第120話 第3回イベント 援軍?
バトル・ロワイアルが始まり、バラバラになったプレイヤー達は戦い始めるのだが、レッドがいるグループは違った。
「うひ、虫のようにどんどんと集まってくるわね」
「今までのことを考えればわかっていたことだろう! やってきたことを悔いろ!」
現在、仮面ちゃんはたまたま同じグループになっていたハイドに率いられる他のプレイヤー達と相対していた。
最初は出会ったプレイヤーを一人一人と片付けていたが、10人ぐらいは倒した頃からなかなか出会うことが出来なくなっていた。
何故なら、仮面ちゃん以外のプレイヤーが合流を繰り返して固まっていたからだ。ようやく次を見つけた時は既に50人を超えるプレイヤー達でハイドが中心になっていた訳だ。
「会場の隅に追い込み、逃げ道を減らしていくぞ!」
「私はモンスターじゃないよ? そんな大声で叫んだらバレバレじゃない」
「ふん、問題はないさ。魔法を撃ち込め!!」
ハイドが編成した魔法の部隊が仮面ちゃんを隅までに追い込むように着弾する位置を考えながら撃ち込んでいく。
「成る程。近付かせずに魔法で追い込むのね。でも、私が遠距離攻撃を持っていないならの話よね」
両手一杯にナイフを持ち、魔法の部隊に向けて投擲するが、武器持ちがナイフを打ち落として守る。
「あら、思ったよりやれるわね?」
「当たり前だ。参加者の殆どが戦闘に自信がある奴等だ! 隅に追い込んだら、魔法を撃ち込んだ後に全員で突撃するぞ!」
「面倒だね……」
もうドルマを本当の姿に戻して反撃しようと思った先にーーーー
「うらぁっ!」
「ぎゃっ!」
「何が!?」
突然に魔法の部隊が崩れ始めた。仮面ちゃんは何が起きたのかと驚きつつ、良く見るとモヒカンの頭をした男性が戦斧を持ち、魔法の部隊を背後から強襲しているところだった。
「貴様! そのモヒカンは……激裂鬼夜羅死苦の1人だな!? 何故、邪魔をする!」
「あー、気に入らねぇからだ」
ハイドの言葉を一言でバッサリと切り捨てていた。
激裂鬼夜羅死苦って……確か、中ボスを倒したパーティだったかしら?
印象深いパーティ名だったから、頭に残っていたが……何故、レッドである自分の助けになるようなことをするのか疑問だったが、それはすぐ知ることになる。
「相手がレッドで犯罪者だとしても、1人相手に囲むような情けない奴等が嫌いなんだよな」
「そんなことを言っている場合か!? お前はあいつの恐ろしさを知らんのか!!」
「だから? それはお前らの言い分だろ。俺はお前らのやり方が気に入らないから攻撃しただけだ」
どうやら、仮面ちゃんを助けたいから攻撃した訳ではないようだ。ただ、気に入らない相手を攻撃しただけだと。
「クソ、よりにもよって……」
ハイドは一足先に魔法の部隊を潰され、計画の進行に支障が出てしまったことに悔しがる。魔法で追い込めなくなったなら、武器を持って正面から戦わなくてはならなくなったからだ。
「恨むぞ……」
「はん! 知らねぇな!」
「取り敢えず、烏合の衆になったプレイヤー達を片付けようかしら」
仮面ちゃんは反撃の切っ掛けになったモヒカンのプレイヤーに攻撃をせず、近くのプレイヤーを片付けに向かう。
「クソぉぉぉぉぉ!!」
ハイドも倒され、他のプレイヤー達は戦闘に自信がある程度だと仮面ちゃんに追い縋ることも出来ずに次々と倒されていく。そして…………
「あとは、君だけかな?」
「さぁな。どちらかが倒れたらわかることだ」
「そうね。やろうか」
この場にいるのは仮面ちゃんとモヒカン頭の男性だけ。中ボスを倒したパーティのメンバーだけあって、高い実力を持っていた。
「一応、名前を聞かせて貰っていいかしら?」
「ルダンだ。オメーは……いや、仮面ちゃんだったな」
「ふふっ、本当の名前は教えられないのは悪いけど……貴方は気にしないでしょ?」
「そうだ。今はどっちが生き残るかだ! 行くぜ!!」
ルダンは戦斧を両手で握り、力任せに振り回す。馬鹿正直に正面から来ているが、仮面ちゃんはルダンみたいに真っ直ぐな人は嫌いではないので、仮面ちゃんも正面から迎え撃つ。ドルマで戦斧と打ち合いーーーー
バキィィィッ!
カナタムの姿であったドルマよりも戦斧の方が強く固そうだったが……本来のステータスは化け物レベルであるので、破壊音が響いたのは戦斧からだった。
「はっ、ふざけた力だ」
「結構、耐久力を削られたわ。でも、私の勝ちね」
戦斧を折ったドルマはそのまま、ルダンを斬り裂いた。光の粒になっていくルダンを見送り、この場に残ったのは仮面ちゃんだけ。他のプレイヤーを探そうと1歩を踏み出した瞬間にアナウンスが鳴り響いた。
ーーー7番のステージで生き残ったのは……仮面ちゃんです!!
どうやら、仮面ちゃんとルダンが最後の戦いだったようで、仮面ちゃんがトーナメント戦へ参加する権利を得たのだったーーーー
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