第117話 イベントの内容



 女子会が終わり、夜ご飯の準備をしていた美世の耳に着信音が聞こえる。


「ん、電話?」


 火を止め、スマホを取りに行くと電話先は鳴海からだった。さっきまで女子会で話したばかりなのに、まだ何か話があるのかと思いつつ、繋げると……


「もしもし?」

『あ、公式サイトを見た? 第3回イベントについてのことが出ていたわ』

「ようやく出たんだ?」


 第3回イベントが行われると告知されてから、内容を伝えられないまま1週間ぐらい経っていた。


「日時は……タイミングから今週の土曜日かしら?」

『当たり。3日後の土曜日に開催されるわ』

「内容が気になるけど……今は料理中だから、あとで調べるわ」

『あ、ごめん。料理中だったのね』

「うん。あとで調べた後に気になったことがあったら、また電話するね」

『了解よ。また』


 電話が切れた。すぐ調べたいが既に調理を始めており、温いままで放っておくと味が落ちそうなので先に料理を終わらせる。


「ふふ~ん、夏だけど鍋をたまには食べたくなるよねぇ」


 今日の夜ご飯はもつ鍋。一人用に作ると量を考えないといけないが、今回は実家から送られた1人用に作られたもつ鍋のパックがあり、すぐ鍋に入れて煮込むだけで出来る優れものだ。

 クーラーで冷えた部屋、熱々に煮込んだ鍋……相性が良いなと思いつつ、菜箸で野菜ともつを詰め込んでいく。








 うん、美味しかった!


 もつ鍋に満足し、膨れた腹を撫でていたら眠くなってくるが……


「先に調べないとね」


 電話で話した通り、第3回イベントについての内容を見ておきたい。寝転がりながらスマホを弄っていく。


 えっと~……あ、これだ。イベント内容は…………やっぱり、PVPのトーナメント戦だわ。


 第3回イベントはトーナメント方式でPVPをする。最初は8つのグループに分かれてバトル・ロワイアルをして、生き残った1人だけが決勝トーナメント戦に進めると言うわけだ。

 美世は大体イベントの3か4回目辺りで個人のトーナメント戦がくるじゃないかと読んでいた。


 トーナメント戦はいいけど、バトル・ロワイアルで間違いなくレッドの私達は真っ先に狙われるわね。うーん……


 自分は万の一にはピクトを召喚すればいいから大丈夫だが、他の人には厳しい戦いを強いられるだろう。


 というか、私以外に誰が参加するのかな? あとで聞けばいいかぁ。


 イベントの内容はわかった。あと3日はあるので、何をしようか考えて…………すぐには思い付かなかったので鳴海に電話した。




「もしもし?」

『どうかしたの?』

「聞くけど、鳴海は参加するの?」

『いえ、無理でしょ。アタシは戦闘が出来ない訳でもないけど、バトル・ロワイアルをしたら生き残れる自信はないわ』

「ふぅん、他に誰が参加しそう?」

『そうね…………ジュン、ジョー、カロナ辺りじゃないかな』


 鳴海が言った3人はギルドメンバーの中でも実力が高くて、戦闘馬鹿でもあるので参加する可能性が高いらしい。


「まぁ、そうだよね。参加しない人は観戦しか出来ないの?」

『いえ、会場の外で露店を出せるみたいよ。マミにメルナはそっちで頑張るんじゃないかな』

「会場の外?」

『そう。会場は別空間だけど、会場の外はマリーナの街だって。公式サイトに乗っているわよ』

「そうだったんだ…………別空間に会場があるけど、マリーナの街と繋がっているのね。詳細は実際に見ないとわからないけど……使えるかな?」

『み、美世? な、何か企んでいないよね?』

「なんでもないよ。またね」


 声音が変わったことから美世が何か思い付いたと鳴海は感じた。だが、美世は何も教えることもなく、通話を終わらせてしまう。




「……ふひっ」







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