第116話 女子会(マミの話)



 マミこと……春真未来(はるまみく)はちょっと運動が苦手な普通の中学生。




 ……ちょっと?




 ごめんなさい。見栄を張りました。すごーく運動が出来ないです! …………そ、それよりも! 私がゲームをしていない時は何をしているかヨミちゃん達から世間話を投じられたので話したいと思います!






《マミ視点》



 ギルドホームの入口を設置し終わり、そこからはそれぞれが自由に動く中でヨミ、マミ、メリッサ、メルナは女子会と言うお茶会をしていた。カロナも誘ったが、リアルでやることがあって欠席している。


「私は中学生なので、平日は学校に通っています。仲が良い友達も何人かいて、週2日活動している家庭部に入っています」

「その仲が良い友達もこのゲームをやっているの?」

「残念ながら、友達もゲームは好きですが1万人の抽選から漏れちゃったんです。でも、諦めずに第二陣の抽選が出たら、応募すると言っていました!

 このゲームで何をして楽しんでいるか色々と聞かれていますので、それほどやりたいんだなぁと思っちゃいました」




「まさかと思うけど、私達のことは……」




「流石にPKや闇商人のことは話していませんよ。話したことはギルドに入ったとか、優しい人がいるとかぐらいです」

「…………え、このギルドに入っても良かったの? もし、友達がゲームを始めたら……」

「安心して下さい。私はこのギルドに入って良かったと思っていますし、友達が始めたとしてもギルドを抜けることも闇商人を辞めることもありません!」

「へぇ、ヨミちゃんのことを信用しているのね。」


 ギルドに入っているのは、ヨミちゃんがいるから。


「はい! 最初の頃、助けてくれたのがヨミちゃんで闇商人にならないかと頼ってくれたのが嬉しくて!」

「た、ただ商人が仲間にいれば助かるなと思っただけで……」

「あら、照れているのね」


 ヨミは頬を赤くしてぷいっと顔を逸らしていた。


「それよりも! 部活なんだけど、家庭部は何をしているの?」

「家庭部……裁縫や料理とか?」

「そうですね。普段は裁縫で何か作っていますが、部費が貯まったら材料を買ってお菓子作りなどもします」

「そうなんだ。いつか、食べてみたいね」

「あ、ここもキッチンがあるので一緒に作ってみませんか!?」

「いいわね。……でも、メリッサは見学ね」

「ヨミちゃん!?」


 きっぱりと戦力外と言い放つヨミにメリッサは頬を膨らませる。


「あはは……、でもちゃんと監督すれば……」

「駄目」


 正しく作り方を教えれば大丈夫じゃないかと言おうとしたメルナを睨み、絶対に駄目だと認めない。


「貴女は見たことがなかったのね。黒い煙が出ているのに、まだ煮込み足りないわね……とほざく女よ!? 」

「で、でも! そのお陰でダークマターβが出来たのよ!」

「それは料理とは言わない。錬金術を超えた何かよ」

「錬金術ですらない!?」


 全力で否定するヨミにメリッサはとうとう涙目になっていた。


 ちょっと可哀想だけど、あの景色を見せられたらキッチンに立たせたくはないかな。


 あの状況を見せられたら、真面目な料理教室みたいにきっちりと監督しないと危険かなと思ってしまう。


「むー」

「あ、話が逸れているわ。マミは部活では足りないからゲームの中でも作ろうと思ったよね?」

「そうですが……」


 そういえば、最近は作れていなかったなぁと思った所にヨミに顔から読まれたのか、眉を顰めて謝ってきた。


「ゴメンね。私達の都合で貴女の時間が減っちゃって」

「いえいえ! 楽しいから問題はないですよ!」

「そう? それならいいけど……むー、それじゃ、不義理よね。よし、何か欲しい物とかして欲しいことがあったら遠慮なく言いなさいね!」

「ふぇっ!?」


 本来ならしたいことがあったのに、ヨミ達の都合に振り回されていることで好きなようにやれてないのかと考えた、ヨミはマミの望みを出来るだけ叶えてあげようと思っている。


「ええと、すぐには思い付かないので、保留でいいですか?」

「構わないわ。でも、遠慮だけは禁止よ」


 ……えへっ、ちょっと無理矢理なとこもあるけど考えてくれているよね。でも、私は時間が減っていると思ったことは1度もないの。だって…………




 今が楽しいから。




 女子会はマミの心を更に豊かにさせる時間になってくれたのだったーーーー






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