第115話 依頼完了
メリッサのファーストアタックにより、騒然となった村へ全員で突撃していく。奥にいるオーガまでジョーを送る必要があり、ヨミとジュンが前衛を受け持ってゴブリン達を攻撃していく。
ピクトは倒されたばかりだから、まだ召喚は出来ないけど……問題はないわね。
鑑定でゴブリン達を調べたら、平均レベルが25で特別な力を持った個体はいないようだ。
「多分、全てのゴブリンは普通のゴブリンみたいよ」
「格好からもゴブリンの進化系も見当たらないな」
「皆もゴブリン達は大体レベル25もあるけど弱いから、積極的に攻撃しても大丈夫よ!」
平均レベル25はあるが、基礎能力が低いから戦闘職ではないルイスでもヘマをしなければ負けない。数だけは多いが、あっさりと奥まで行けるだろう…………と思った先に、地面に影が浮き出てきた。
「上!」
「な、棍棒!」
上を見ると、大きな棍棒が降ってきているのが見えた。早めにヨミが声を出したから、誰も棍棒に当たることもなく避けられた。
「ゴガァァァァァ!!」
棍棒を投げた犯人は威圧を乗せた咆哮を発して、突撃してきていた。咆哮を受けた者で重圧を感じて膝を突いてしまったのが、レベル25以下だったメリッサとルイス。
「レベルが低い者にデバフを与えるみたいね! ジョー! お望みの相手が向こうから来てくれているわ!」
「うはっ、思ったよりデカいな。だが、問題はねぇ!」
突撃してきた存在は、村のボスであるオーガ。赤い身体に身長が3メートルぐらいはあるように見える。
だが、ジョーは怯むこともなく笑みを浮かべていた。
オーガ レベル32
鑑定してみると、レベルは自分達を超えているが、レベル40のヴァルキリーを倒したこともあるから其ほどに驚異を感じていなかった。
「私達も周りを片付けよう」
「あぁ、そうだな」
粗方(あらかた)、ゴブリン達は片付け終わった。残りはオーガだけだが…………
「やっぱり、でかくてパワーだけのモンスターに後れを取ることはなかったわね」
ジョーとオーガが戦っているのだが、ジョーは無傷でオーガは傷だらけになって体力バーも後僅かしか残っていなかった。
「鈍(にぶ)ぇぞ! おらおらよ!」
「ギガァ、ガァァァ!!」
「まだ元気ってことか? いいぞ! もっと楽しませて見せろ!」
見せろと言いながらも、ジョーは双刀を持ち上げる。双刀が赤黒く光りだし、頭上に渦巻く魔力が集まるのが見える。
「ジョーの奴、後僅かなのに大技を使うのかよ」
「あら、ジュンはアレを知っているの?」
「さっき、ヴァルキリー戦で見た。アレで最後のエクスカリバーを出させずに終わらせたからな。あ、残り半分ぎりぎりまで減らした後だからな?」
ヨミの『乱月光波』3連発は2本半分を削ったが、普通の威力ではないので比べては駄目だ。しかし、大ボスの体力バーの半分以上を一撃だけで削りきるだけでも充分強い方だ。
「『血刀両断』!」
渦巻いた赤黒い魔力は刀の形を取り、双刀を振り落とすとオーガは頭から両断されて、消え去った。地面までも両断されていて、大きな傷跡が出来ていた。
「終わったぜ!」
「へぇ、凄い威力だけど動作が大きいわ。良くヴァルキリーに当てられたね?」
「そりゃ、他の奴らが動きを止めてくれたからな」
様々なアイテムを持つメリッサ、ルイスや拘束系や罠系のスキルを持つボウもいた。だから、ヴァルキリーの動きを3人で邪魔をすることでアタッカーであるジョーとカロナはダメージを与えられたのだ。
「もしかして、ジュンはいらなかった?」
「……まぁ、回復を掛けてくれたりしてくれたが」
「そんなに必要ではなかったね♪」
「いらなかったわね」
「必要ではありませんでしたね」
「うおい!」
ジョー以外の評価にジュンは泣きたくなるのだった。
「依頼は完了したし、入口を設置するわね」
「少しは慰めるとか無いわけ!?」
ヨミはジュンの反応を無視して、ギルドホームへの入口を設置していくのだったーーーー
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