第102話 大ボスの探索



 ーーー『激裂鬼夜露死苦!』様が西の中ボス、姉妹ルーエルを初回討伐に成功致しました!



 あら、聞かないパーティ名ね。どんな人がいるか想像は出来そうだけれども。


 新世紀に出てくるような、モヒカンにトゲの肩パッドを装着した奴らだろう。そうとしか思えない。


「これで、大ボスに挑戦出来そうね。何処にいるかわからないけれどもね」


 ヨミは先程までは虫型のモンスターがうじゃうじゃと床を敷き詰める程にいた穴の中に入っていた。近くの森から虫型のモンスターをルイス特製の薬で動けなくして、捕まえて穴に入れ続けていた。

 そしたら、最初の方から入れていたあるモンスターがずっと生き残り、後から入れても相手にはならないぐらいに成長したので、熟したと判断してテイムする為にヨミが動いていた。


 強くなったけど、ドルマレベルでもなかったわね。これ以上、雑魚モンスターを入れても成長はしなさそうだったし。


 ヨミのテイムはもう成功している。進化して強くなったと言っても、テイムしたモンスターはランク3でドルマはランク4でまだ差があった。

 ドルマでいたぶり、体力が減ったらテイムを使い、失敗したら薬を投げて回復させる。そして、またいたぶってテイムを唱える。ランク3だから、何回か繰り返すことになったが、最後は心が折れたのかテイムを唱える前にヨミの足元で跪(ひざまず)いていた。


 うひっ、従えるなら心を折るのが1番よね!


「ギゲェェ……」

「あら、何を震えているの?」

「ギゲッ!」

「何でもないって? まぁいいけど……」


 ヨミはなんとなくだが、ドルマの言いたいことはわかるようになってきた。目や口が出来て生き物らしくなったからかな?


 イベントまではあと数日だと思うけど、その前に第3の街に行けるようにしたいよね。ジュンが情報を集めているみたいだし、聞いてみようかな?


 大ボスを倒しに行きたいヨミだが、大ボスの居場所もわからないので情報を集めているジュンに話を聞こうとギルドホームへ戻る。






「大ボスの居場所ね、幾つか候補はあるが、今から手分けして探してみるか?」

「まだ確定してないのね。いいわ、今は暇だし」

「そうか。他に手が空いている奴はいないか?」


 二人だけじゃ、手が足りないからリビングで暇をしているギルドメンバーに声を掛ける。


「僕も手伝おうか?」

「俺も探してもいいぞ」

「あは♪ 途中で人を見つけたら襲ってもいいなら♪」


 リビングで暇をしていたリー、ボウ、カロナが参加するようだ。


「なら、ヨミはカロナと西に向かってくれ。リーとボウは北だ。俺は南で探してみるさ。詳しい場所は地図に印を付けて送るから」

「わかったわ」

「西は結構、人が多いから気を付けてくれよ」

「あは♪ ヨミちゃんと一緒なら問題はないよ♪」


 ということで、大ボスを探す為にカロナと組んで、西のフィールドへ向かうことになった。







 あー、人が沢山集まっているなら、この可能性も考えるべきだったわね。


「見つけたぞ。お前らはここで終わらせてやる!」


 西のフィールドに行き、探索しながら見つけたパーティを狩っていたら…………ハイドのパーティ、あと討伐隊として参加している数組のパーティに囲まれていた。







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