第62話 第2回イベント その6
「あら、3つの難易度があるのね?」
「……ルールには『マジックスロット』はイージー、ノーマル、ハードと別れていると書いてある」
「ふむふむ、その難易度で賭けられる金額も変わるようだ」
「えっと……」
『マジックスロット』をやっている会場に着き、いつものようにルールを確認したら、他のギャンブルと違って難易度が表記されていた。
『マジックスロット』のルール
1.難易度が『イージー』、『ノーマル』、『ハード』の3種類があります。
2.難易度によって、レールの絵柄の数、距離、放たれた魔法のスピード、掛け金が変わります。
3.このゲームは最初から準備された杖に手を掲(かか)げて、『ショット』と唱えることで魔法が放たれます。
4.放たれた魔法はレールに当たり、ストップさせて絵柄が決まります。
5.同じ絵柄を全て揃えたら、当たりになります。
6.ストップした絵柄によって、オッズが決まっており、詳細は現場で確認してください。
「へぇ、魔法でレールを止めて絵柄を揃えるゲームなのね」
「難易度によって違うみたいだが……やってみればわかるか」
「うん! 私はイージーからやってみる!」
「……最初は皆でイージーに行ってみる?」
最初なので、まずはイージーで絵柄を揃えようと、先に進むと…………
「また転移で別の場所に飛ばされるの?」
「はい。順番待ちを無くす為で時間の無駄にならないようと」
「確かに、1日の制限時間があるもんな」
受付で数十人が対応しており、難易度を選ぶだけで準備されたスロットへ転移させて貰えるようだ。個人とパーティで選べるが、4人でパーティを組んでいるのでパーティの方を選んだ。
「では、お楽しみください」
転移された先には、人よりも大きめのスロットが置かれており、5メートル先には3本の杖が浮いていた。
「ふーん、こういう感じなんだ」
「あ、説明が書かれているよ!」
「……100ゼニで1回回せる。絵柄は3つでオッズが3倍、6倍、10倍になっている」
「距離は5メートル、杖から放たれる魔法は秒速60メートルらしい」
『イージー』なので、そんなに難しくはないだろうと、100ゼニを払って杖に手を掲げる。
「ショット」
「スライムの絵柄、3倍です!」
「ショット!」
「あ、スライム! あと1つだぞ!」
「……ショット!!」
「……揃った」
見事にスライムの絵柄を揃え、3倍なので300ゼニを手に入れた。
「スライムの絵柄は判定が広いからなんとか見えて、タイミングは合わせられたけどね……」
「ウルフとゴブリンの絵柄もあるが、当てられそうか?」
「何回かやって、1回は揃えられたらラッキーね」
スライム以外の絵柄はスライムのよりも狭いので簡単に揃えられるとは言えず、『ノーマル』や『ハード』のもどうなっているのか気になるヨミ達だった。
『ノーマル』と『ハード』のもやってみたが、特に『ハード』は無理ゲーだった。魔法の秒速が右が60メートル、真ん中が80メートル、左は100メートルになっており、距離が20メートルも空いている。
レールの絵柄は5種類があり、1番倍数が高かったのはドラゴンの絵柄で50倍だった。掛け金も一回で1000ゼニなので、ドラゴンの絵柄を揃えれば……50000ゼニもゲット出来ていたのだ。ドラゴンの絵柄は1番狭くて、タイミングを測って放つ技量だけでは無理なレベルで、運が必要になる程だ。
「うーん、勝ち目があるのはモンスターレース、『イージー』のマジックスロットかな。少しずつ稼ぐことになっちゃうけど」
「10万に届かなくても、他の奴等がクリア出来れば、解放されるしな」
「……なら、私達はお金を気にせずに遊ぶ?」
「そうですね! 今度こそ、モンスターレースで当てたいです!」
最初から決めていた通り、無理に目標を目指さずに遊ぶ気持ちでギャンブルを楽しむことに決めた。悪役として、ゲームを始めたヨミだったが、たまにはこういうのも良いなと思うのだったーーーー
『人間ルーレット』? ムリムリ、あんなのクリア出来る人がいる訳がないわ。ないわーーーー
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