第52話 報酬
「あれ、運営からプレゼント?」
裏掲示板を閉じた先に、運営からメールが来ていることに気付いた。更にプレゼントが付いていて、どういうことかわからなかった。
……メールの中身を読んだら納得した。
このメールに付いているプレゼントはPKプレイヤーが決められた人数を殺すことで、プレゼントされるものだった。
「20人、40人と殺した報酬みたいなものなのね」
どうやら、PKプレイヤー全体に適用されているシステムのようで、運営がヨミだけに向けて送った訳じゃないらしい。今更、メールが来たのかは自分が殺した人数を確認出来る裏掲示板にログインすることで、その条件を達したからだ。
……まるで、運営がPKを推奨しているように見えるわね。まぁ、考えても答えが出る訳でもないし。
自分が殺した人数を確認出来るのは裏掲示板だけで、ログインして確認するのが条件で殺した後にすぐ送られなかった理由がわかった。戦闘中にメールを送られて、邪魔にならないようにと配慮されているのだと思われる。
「まぁ、最初の方だからどちらも消耗品ね」
送られた報酬はお店で買える品質のポーション×20と煙玉×5が入っていた。これは街中に入るのに苦労すると考えてのことだろう。
普通に使えそうでいいわね。20人毎に報酬が貰えるのかしら?
こういうのが貰えるなら、もっと積極的に狩っていくのもいいかもしれない。
「でも、今はまだ第二の街へ来ているプレイヤーはあまりいないよね…………うん、アルティスの仮面もあるし、そろそろかな……うひっ」
今までプレイヤーしかやっていなかったけど、ようやくNPCへ手を伸ばそうかと考えていた。
街で誰かを殺そうかな?
そう考えて、始まりの街へ戻るヨミ。多数のプレイヤーがザワザワと集まっている広場へ足を向けていると…………近くを通っていたプレイヤー達の話が聞こえてきた。
「聞いたか? 第4位がイベント前にPKプレイヤー討伐隊を結成するらしいぞ」
「おうおう、聞いたぞ。またイベントで邪魔をされる前に一度はとっちめるぐらいはしないとまた先程のようになってしまう可能性が高いからとか」
「あのハイトがね……見た目は山賊みたいだが、中身はまともだからな」
「うははっ、言えてるな!」
「そこで、お前らはどうする?」
「もちろん、参加するぜ。参加条件とかはあったか?」
「普通にあるだろ。敵が仲間に紛れていたら不味いだろうし」
「名前を公開するぐらいはするだろう……」
「よし、募集している場所へ向かおうぜ!!」
横を通りすぎるプレイヤー達の言葉を聞いていたヨミはニヤッと笑っていたのだったーーーー
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます