第42話 初のパーティ結成
ジュンをナイフで追いかけ回した後も、何回か戦っていた。そのお陰で、ジュンの戦い方がわかってきた。
ジュンの戦い方はいわゆる、回復でHPの調整しつつ、パワフルな突進を仕掛けるタイプなのだ。だが、ジュンにはヨミの『回収』を使った剣技を防ぎきるだけの技術と反応速度を持っているので、半端な攻撃は避けられるだろう。これだけのポテンシャルを持った相手に勝つのは普通のプレイヤーでは無理ーーーーーー
「……まぁ、全勝したけどね」
「何故だぁ!?」
ヨミとジュンの戦いは全て、ヨミの勝利で終わっていた。敗因はジュンが遠距離攻撃に対する対応方法が少ないこともあるが……
「攻撃を当てるのに苦労するんだ?」
「そうだよ! 距離感が狂わされているんじゃ、そう簡単に当てられねぇよ!?」
もう1つはアルティスの仮面にあった。アルティスの仮面に付いているスキル、『認識障害・惑』はノイズを作り出すだけではなく、相手が感じる距離感を微妙に狂わせているのだ。
「流石、レア度:SSSの装備ですね」
「あげないよ?」
「いえ、僕の趣味には合わないのでいらないです」
「この素晴らしい仮面がダメなんて、貴方の感性が残念だわ……」
「アタシもちょっと……」
「メリッサまで!?」
仲間にアルティスの仮面の芸術を理解できないことに残念だと思っていた。
「それよりも、ヨミのステータスを見せて貰っても? 気になるんですよ」
「あぁ、アタシも気になるわ。不人気の『武具化』を使っていたし」
「他に変なスキルを持っているんじゃないだろうな?」
「失礼なッ!」
皆のも見せて貰ったが、メリッサがあの称号を持つ以外は普通のスキル構成だなと思った。そして、ヨミのステータスを見せる。
ステータス
名称:ヨミ
レベル13→19
職業
メイン:魔物使い
サブ:剣士
HP:270/270→330/330
MP:560/560→940/940
ATK:70(+268)→100(+308)
DEF:77(+41)→107(+41)
INT:85(+100)→115(+100)
MDF:72→102
AGI:147→207(+5)
LUK:74→104
スキル(メイン)
『テイムLV6』(ドルマ)、『鑑定LV5』、『武具化LV5』、『防具化LV1』、『武技アーツ不可』、『魔法不可』、『魚群アローLV3』、『必中LV4』、『空白×2』
スキル(サブ)
『回収』、『空白×9』
スキルポイント:15
称号
『泥臭い戦闘者』、『貴族の友』
武器
右手:初期の剣 ATK+10
左手:ドルマ ATK+198
装備
頭:テンガロン・ハット DEF+8
身体:フリル付きのワンピース(白) DEF+20
右腕:充体のミサンガ
左腕:無し
脚:硬いブーツ(白) DEF+13 AGI+5
アクセ1:アルティスの仮面
アクセ2:無し
『回収』については戦闘スキルや制限スキルではないので、サブに置いても効果が発揮されるので、ガラガラだったサブスキルへ置いてある。
これらのスキル欄を見た3人は…………
「「「変なスキル構成」」」
同じ意見だった。ヨミは1つ1つのスキルに選んだ意味があるので、その意見に不満そうな顔を浮かべていた。
「不人気スキルはともかく、制限スキルを持っていて、何故強いんだよ!?」
「しれっと上位スキルまでも紛れているのですが……」
「ステータスも凄いことになっている! ドルマのステータスも高いよ!? しかも、スキルが付いているし!!」
ステータスの1つだけでもこれだけ驚かせることが出来ることは普通の冒険者ではないと言っている様なものだ。
「気にしない気にしない。それよりも、大ボスの位置は掴んでいるの?」
「流すのかよ……いや? まだ見つかってねぇよ」
「……最初から探索?」
「そうなるな。アルベルト達が見つけて、場所でも書き込んでくれると助かるがな」
「それじゃ、初回討伐報酬が手に入らないよ?」
「構わねえよ、最初の大ボスだ。たいした物は手に入らないと思うぞ」
中ボスの初回討伐報酬はアクセサリー装備だったが、その効果はとても有用だとは言い難かった。中ボスだからだと思うが、これでは大ボスにも期待は出来ないだろう。
「さてと、このパーティで組んで冒険をするのは初めてになるよな?」
「そういえば……、イベントでもヨミは参加していませんでしたね」
「もう1週間以上も経つのにねーー」
「別にいいじゃない。そのお陰で強くなれたし、色々な出会いがあったんだから」
「ふむ、それはそうだな」
「では、ここを出て、フィールドへ出ましょうか」
「どの門を通る?」
しばらく話し合い、北門を選んだ。理由はアルベルトが南門へ向かったのだから、反対側を調べてみようと。
かなり、適当だが、情報がまだないから仕方がない。探索を頑張ろうと、ヨミ達は気合いを入れ、北門へ向かいーーーーーー
「なっ、何これ……!?」
数十分後、ヨミが絶句する声を上げていたのだったーーーーーー
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