第23話 「転機」

完治の光が終わるとその様子を見ていた王様が駆け寄って来た。


「フリージア、ありがとう」


「王様、一体何があったんですか?」


「郊外の魔物が王都に向かっておるのだ」


王様も冴やるせない顔をしている。そこへ


「陛下、第一師団全滅したとの報告です」


「何!!マーリンは、どうした?」


「マーリン様はコーエン様と共同で戦っておりますが数が多過ぎて」


「どのくらいるのだ?」


「その数、二万とも三万とも言われています」


「何?」


すると王子様達が立ち上がり


「俺たちが向かいます」


「何を言っておるのだ。体を直したばかりではないか」


「このままでは王都へ攻め込まれるのも時間の問題だ」


「そうだ!!」


傷が癒えた者達は立ち上がって、準備を始めていた。相手は魔物、王子様達の力では到底勝てないことが予想される。でも戦わないと私たちが魔物に殺られてしまう事態だ。ここは、私が出る時だろう。一応、ライデンに聞いてみる。


「ライデン、私が出るのはどうかな」


「はっ!!フリージア様であれば、倒せる相手です。微力ながら私もお供いたします」


よし、これで覚悟は決まった。


「王様!!私もこの戦いに参加いたします」


「え?フリージアがか?」


私の進言に虚を突かれたような感じになっているけど、ここは押し切るわよ


「はい!!」


「しかし…それでは、治療ができるものが」


「それは大丈夫です。私が途中で治療をしながら、進んでいきます」


王様はしばらく考えていていると、王様の横でマーリン様の弟子の一人、エリス様が話をしていた。


「お言葉ですが、フリージア様は、先日、マーリン様の免許皆伝を受けております」


「おお!!そうか。そうであったか、では、フリージア、余の命令として出陣せよ」


すると王子様がやってきて


「父よ!!フリージアの護衛は私目に」


「わかった。王子率いる近衛第一師団を護衛とする」


こうして、私は、出陣することになった。ここで、ライデンと作戦会議をした。


「フリージア様、まずは、私が索敵をしてきますので、それまでは、レンジディフェンスを張った状態で行軍をしてください」


「どういうことですの?バリアーが必要なのでは?」


「大丈夫です。レンジディフェンスを行っていれば、フリージア様の防御力がその範囲にいるパーティメンバー全員に適応されます。ですから敵の攻撃を受けても無傷でいられますよ」


「そうかな」


「大丈夫です。フリージア様の防御力は1兆以上ですし、貫通攻撃への防御も完璧ですので、大丈夫です」


「んー?よくわからないけど、とりあえず、大丈夫なことはわかったわ」


「それに索敵にそんなに時間はかかりませんから、ご安心を」


「わかった」


***


前線でマーリンとコーエンは必死に戦っていた。


「くそ!!数が多すぎる。マーリン殿このままでは全滅してしまいます」


「これまでか撤退する」

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