第17話 「召喚していたもの」

マーリン様のお屋敷に戻って、しばらくすると見たこともないチョーイケメンが部屋に入ってきた。というより、私の願望をそのまま3Dプリンター作り出したような感じなんだけど、君はだれ?


「すみません。どなたですか?」


一瞬でガーンとショックを受けたようなノリが良い芸人みたいな反応、このギャップは面白い。しかし、誰なんだろうと思っているとその口から藤岡弘、バリのバリントンボイスで


「わたくしは、貴方様に召喚された#上位魔人__アークデーモン__#」


えっと、ということは魔人を私は召喚してしまったって、いつ?召喚したの?


「えっと、すみません。いつ、召喚したのでしょう?」


私の言葉に再びガーンとコミカルな反応をしている。


「先程、ドラボール家の前です」


んーと、さっきの悲劇は、私が引き起こしたということになる。私、どうしたの?召喚した記憶が全くない。


コンコン


「入るぞ」


するとマーリン様が室に入って来た。


「フリージア、お前の部屋から強力な魔力を感じたんじゃが⁉︎」


すると目の前魔人を見て驚いている。当然よね。普通、どう言い訳しよう


「う…美しい」


えっ?そっち?


「お主のやるよのう。どうやって、こんなイケメンを引っ張り込んだんじゃ?」


「違います!!」


ふふんと得意げな顔をしているマーリン様のいじわる。知ってて言っているでしょう?ジト目でみていると


「フリージア、そんな目で見るな。ところでこいつの名前は?」


「さぁ?」


「さぁって、お主何という名前だ」


「魔物の私に名前はありません」


「フリージア…どうする?」


「名前がないと不便だからつけることにします」


「名前が頂けるのですか?」


「はい」


ものすごい嬉しそうにしている。名前をもらうというのは魔物にとって名誉なことらしい。


「では、名前をつけます。あなたの名前は”ライデン”」


「有難き幸せ!!一生、あなた様についてきます」


名前を付けた瞬間にライデンは進化を始めた。そして、進化の結果、#上位魔人__アークデーモン__#から#魔将軍__デーモンジェネラル__#へとなったのだった。


「なんということだ」


彼の魔力のすごさにマーリン様は驚いたんだけど、案外冷静でした。


「それよりフリージア、お主の実家をこやつに護衛させろ」


「どうして?」


「それは、ビンセント家が嫌がらせをしてくるはずだからじゃよ」


「なぜ?ビンセント家が?」


「それは、貴族社会の闇とい奴だろう。貴族は面子を大切にするのじゃ。今回の件は、お前の記憶操作で、面子丸つぶれとはいかなかったが、ビンセント家のプライドを傷つけたのは間違いない。特にビンセント家の当主のプライドはかなり高い方と聞く、だから、必ず何かをやってくるに違いない」


「わかりました。それではライデン、我が実家を見張ってください。何かあったらすぐに連絡をするよう」


「かしこまりました」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る