第26話 2年前のローゼン

セレナが辺境を抑えた頃

ローゼンはまだ子供15歳

当時は大商会のボンボンで自堕落な

生活をしていた


才能才覚など全く見えない!

商会を発展どころか食い潰す未来しか見えない


このままではダメだと強引に仕事に

駆り出される、護衛をつけての輸送任務


物凄い馬車の数と護衛の兵士たち

馬車20に商人の他に兵士が200名

かなりの大所帯


まさに護送船団の様な列である

村から村へ仕入れと販売

最終的に王都に戻る頃には

仕入れたものが6倍から20倍で売ることができる


王都で生産できない高級フルーツや

調味料

ポーション材料やら

鍛冶屋で使う鉱石の類

金や銀なども王都の方が高く売れる


ローゼンは何も取り仕切ることなく

ただ乗っているだけである


辺境の首都に寄り仕入れと販売

かなりの富をばら撒き


セレナやヒルダに注目され

是非とも会いたいとのアポイント予約を

取ろうとするが無視、どうせ辺境貴族で

会う価値もない!


今後の取引を考えたら取り込みたかったのだが

空振りに終わる


魔物が増えていているので内地に

逃げた方が良いとの忠告をする予定が

出来ずじまいになり


次の村に仕入れに行った時、

コボルトの大集団に捕まる


人形で知恵があり敏捷性が高く厄介

武器を使うものや爪や牙での

攻撃が危険な魔物


「襲撃だー!」の声が上がってから

一斉に反撃に出るが単純な数の差で

負けて30分後には半壊


仲間達、雇われ傭兵達は逃げ出す!

ローゼンは必至に逃げた!

半日逃げて夜になんとか付近の村に辿り着く


「コボルトの大集団が来る!」

「ここも危ないぞ!」


「戦闘準備!」

村人は慌てることなく

戦闘準備、全ての住民達が武装を始める


「そんなことより逃げないと・・」


散発的にコボルトの襲撃が始まる

村人達は鍛えられてレベルが高いのか

互角の戦いをしている


コボルトの大集団

敵の数が増えたら天秤が傾き決壊する


抜けてきたコボルトのに追われ

攻撃を必至にかわすローゼン

1秒でも延命を図り


身体中に傷が増えていく!

「痛い!なんで私がこんな目に!」


動きが鈍くなり立ち上がれなくなり

身体をコボルトの足で踏まれ

トドメを刺される寸前


赤髪の救世主が現れる!

私とそんなに変わらない子供?


「邪魔だ!」


ローゼンの顔面を踏みつけながら

コボルトの頭を半分を短刀で切り飛ばし


群がってきたコボルトを短刀一本で

一方的に殺している


切れ味や強度の問題で

短刀がそんなに持つわけが・・

ローゼンが思っている最中短刀がへし折れる


もうダメか!と思ったら

この赤髪の女は獣の様な唸り声をあげて

コボルトにおそいかかる


手刀で切り裂き

身体に穴を開け

足で踏みつけながら骨をへし折り

膝蹴りで内臓破壊や

頭突きで頭部を破壊する


白馬の王子様というより

狂戦士の野蛮な娘


1時間後、300は居たであろう

コボルトの大集団は壊滅


勝ち鬨をあげてから

仲間達の死体を集めて


疫病やゾンビの元にならない様に

腐敗する前に焼却


生き残ったもの達は仲間の死を悼むこともなく

達観した感じ


宴会に近い酒や食事を初めて

仲間を弔う


「こういうものは辛気臭くしては

いけねえ笑って送ってやらんと!」


そこにいる爺さんが言ってた


無口な蛮族の様な子供のことを聞くと

うちらの救世主でここいらの村をまとめている

あの子を中心に村の統廃合が進んでいる


ここは3つの村が合流して発展した村だ

噂をしていると


酔っ払った例の赤髪の救世主が来る

子供に酒を飲ましたらあかんやろ!


辺境では当たり前とか常識が違う!


私が情けないのか、永遠に愚痴や説教

「お前はそれでも男か!

生きてて恥ずかしくないのか!」


返す言葉もない!私まで強引に酒を飲まされて

最後は目を回して倒れる


☆☆☆


ローゼンは朝早く悲鳴をあげる

ベットに寝かされているのは良い!


ガッシリと赤髪の子に手と足で挟まれて

抱き枕にされている、私の髪に顔を埋めて

寝ている!


よく見ると綺麗で可愛い!

まああの昨晩の凶暴な姿を見ると

なかなか冷静に受け止めれない!


胸や股に身体が挟まれているので

顔が真っ赤になり必至になんとか抜け出す!


「生きてて恥ずかしくない男に慣れか!」


そこからのローゼンは見違えるように覚醒

恩義を返すために、知恵を絞る


村人を集めて説明

この先に商人の馬車20台が

壊れたまま野晒しになっている


商品を回収できればこの村で一生かけても

稼げないだけの富が手に入る、

私は帰還の路銀分さえ回収できれば良い!


「美味いものはあるか?」

「ある!」


「名前ぐらい教えてくれないか?

呼びずらい!」


「まずはお前から名乗るのが礼儀だ!」


「ローゼン」

「正式にはローゼン・ヘル・バーグ」

「時期に大商会を束ねる男だ!

というかなってみせる」


貂炎ちょうえん

「隣の辺境伯、関炎かんえんの娘

私はお姫様だ、まいったか!」


お互いにドヤ顔をして笑い合う


村人総出で物資の回収

ローゼンはあまり重くしたくないので

宝石類と金貨のみ 銀貨銅貨は無視


全ての物資は気前よく村人達に全て

くれてやった!


貂炎これ身につけて

【商会の家紋付き首飾り】

何かあった時それをみせると良い

ローゼンの装備品を受け渡す


本来ならこれと交換で

金貨数千枚は引き出せるもの

商人達の前で見せれば

水戸黄門の印籠の様な役割もする

まあ貂炎には価値がわからないのだが


周りのはやし立ての声

「好きな子へのプレゼントですか?」

「茶化さないでくださいお礼ですよ!」


ん、わかった

「今度代わりにオーガの首でもやる!」

全く価値の感覚のズレである


王都に戻れたら莫大な損失に驚き

怒られるだろあなぁと思い

でも、そんなの巻き返してませる

と根拠のない自信


立派になってからまた再開したい!

護衛を雇って無事に王都まで

帰還することになる

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