第22話 見捨てられた村

村の周りは危険な獣だけではなく

知恵のあるゴブリンまで出没が確認された!


辺境首都や冒険者に依頼を出しているのだが

いかんせん、村の出せる報奨金は少ない


ゴブリン(小鬼)は厄介で新人冒険者には辛く

中上級者では旨味が少ない!


相手の編成が読みづらい

ゴブリンの中にリーダーが居るのか?

メイジがいるのか?シャーマンが居るのか?

ホブゴブリン上位種や毒矢の弓が居るのか、

大鬼のオーガが指揮していた場合


上級の冒険者でないと勝つのは厳しい!

「村を捨てて逃げる準備をするべきか?」


☆☆☆


村の近くの川に血だらけの少女が現れる様

になって2日が立つ


村人は心配したのだが近づくと

唸り声をあげて追い払われ


毎日山に入っていく


村人がそこで見たものは大量の

モンスターの死骸

30やそこらはある


あれは全て返り血だったのか!

ゴブリンどころかホブゴブリンの死体まである


そこで目を爛々と光らせる

まるで獣と化した様な少女に遭遇


「ひっ!」

驚いたのだが

こちらに敵意はないと見抜いたのであろう


横を素通りしていく!


村に対する要求は何もない!

タダでモンスターを間引いてくれている!


村長に連絡が行き、謎の少女を歓迎

感謝しようとなったのだが

こちらに興味が無いのかガン無視


お金にも興味がなさそうで

無言で食べ物を出すと

興味を引いたのかガツガツ食べている


「ゴブリンたちを倒してくれて

ありがとうございます!」


「知らん!お前のためにしたつもりはない!」

「好きに遊んでいるだけだ!」


「そろそろ帰らねば」


魔物たちの前線基地を勝手に

荒らして壊している

大氾濫の足掛かりを必至に整えている

魔物たちは哀れである


触発されたのかゴブリンの死体から

武器を回収して

村人たちも少女に続けと

自立して守ろうと頑張り出している


☆☆☆


またか、魔物たちは困っている

3人以下で動くな!孤立したものからやられる

10人がかりでも勝てなった

赤髪の人形のモンスター


リーダーやホブゴブリンすら何人も

殺されている!


あれは何なのだ?

手刀で身体に穴を開け

手で首をへし折ったり

頭蓋骨を潰したり

膝蹴りで内臓破壊とか

首を半ばまで噛み切り

足で首を折り

指で平気で眼をえぐりにくる


武器を使わずに素手での異常な戦闘力

獣の様な敏捷性、獣の様な凶暴性

あれは手に負えん!


狂った亜人の獣か狂戦士


対策を立てなかった所為か

2日後にはこのゴブリンの将軍さんも

命を落とすことになる

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