第13話 薬師と魔女

魔法使いなど、ほとんどいない世界なので

錬金術はほとんど神秘の世界


それの下位で薬草やポーションを

作り処方するのが薬師でそれでも貴重な職業


流行病や災害、戦争などでは

その数、保有数で被害の死者の数が激減する


ヨハンは頑張った!

【一般ポーション】薬草の2倍の回復力

【毒消しのポーション】猛毒まで対応

の作成技術を習得


更に【ポーションの効果アップ】

作成時や使用時に効果が現れる

【チートの固有スキル】持ちだった


その所為か

瀕死や重傷患者など既に助からない

はずの命を30名は救っている


守銭奴の教会のヒーラーよりも

能力が格段に上の所為か

救われた方から信仰に近いものも獲得


その気になれば司祭クラスまで

転職可能のツリーさえできている


毎日毎日ポーション作成や治療を

していたのだが


仕事が終わった雨の日

近隣の村から辺境の首都の街に徒歩で

向かう最中

朽ちた塔の残骸が目に映る


塔の上には陽炎カゲロウのような

フードの女性が在る


目があったと思った瞬間から

何故か合わなければ、と操られるように

塔に引き寄せられる


「貴方、悪い魔女に捕まりましたねぇ」

ローブの美しい半透明の女性から

声がかかる


「貴方、雨の日に幽霊が出るから

この塔に近づいてはいけないとか

噂を知らないの?」


そこで身体の自由が戻る

「魅了か何かで操ったのですか?」

「そんなことをしなくても貴方は美しい」

「何故そんなことを」


「プププ、口説き文句?

私は300歳のお婆さんよ!」


「貴方は幽霊さんですか?」

触ろうとしたら通り抜ける!


「私の本体に触ると呪いがかかる!」

「霊体だからまあ問題ないけど」

「封じられた囚われの姫」

「助けてくれる王子様待ちと言うことかしら」


「【厄災の魔女】を解放すると世界が滅ぶけど」


「貴方は寂しいのですか?」


「?!」

「貴方は嫌な子ね」

「そう言うことは思っていても

口に出さないことね!」


「こちらの自己紹介はしたんだから」


「貴方のことを話してもらいたいわ」


美しく悲しい目をした女性と

ヨハンは一晩語り明かすことになる!


その後、雨のたびに

ここに通うことになる!

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