第6話 遭遇

セレナは思う王都から馬車で辺境に

到着まで襲撃が二桁とか

うちらの仲間4名は亡くなっている


どんだけ治安が悪いんだ!

ここまで到着する商人達に敬意を表したい


辺境の首都なのに外からの出入り検査なしだし

入場税すらもない!


盗賊や山賊にしか見えないもの達が

大勢普通に歩いており

小汚い活気のあるスラム

この都市自体が汚い!


食い逃げ、スリや泥棒!という声が10分おきぐらいに聞こえてくる、日常茶飯事かよ!


とりあえず領主にアポを取るように頼み

宿屋の手配


食堂や酒場ではなく

気を休めるために

落ち着いて紅茶やスイーツを食べれる

高級ラウンジを探すと見つからないが

喫茶店のようなものを発見


メニューろくなものが無いわねー

思っていたら人の良さそうな

田舎者が近づいてくる


歩いてきてスカートの裾を掴んで軽く会釈


あまりに不恰好下手でたどたどしい

動作・・・


「豚にでもマナーを習って来い!」

口に出しかけたが寸前で止まる!


「この地で初めて【礼儀正しい淑女】に

会えて光栄です!」

心にも思ってないことをのたまう!


田舎貴族が王都に来たら馬鹿にして

率先して貶して潰していたであろう!


此処はアウェイで敵地、味方未満になるなら

人脈は大事だ!


格が違うとばかりにバレエのような

上半身をブレずに全く動かさず歩いて

優雅な仕草で完璧な角度やタイミングて

同じ略式動作を何事もなく自然に決める!


「何か御用かしら?」


☆☆☆

マリーンドルフ・オットーとしては

辺境一のマナー講師を雇い

皆から褒め立てられていたので


刮目せよ!


私の美しき所作に恐れ入るが良い!

ドヤ顔!


相手は驚いて言葉を飲み込んでいる

決まった!私の才能が憎い!


不恰好な豚マナーと思われたことすら知らない


【礼儀正しい淑女】私の内面までは

隠せないか流石に見抜かれた!


返礼にお辞儀を返されて、

ま、まあ見栄えの良い動作で中々やるわね

冷や汗をかきつつ


友好的に接して世間話や

事情聴取に入る


バレると厄介なので

オットーの名前は出さないで

マリーンと名乗る


逆に辺境の常識や風習などを

セレナは聞き出して驚くことになる!


散々奢られて

マリーンドルフは教えてやる


理由のない施しは

此処では相手に舐められて下に見られる

対等や上の存在にはなれない!

舐められたら終わりだ!


容赦なくケーキをホール丸型で

注文して食べながら答えている


あと売られた喧嘩を穏便に回避するのは悪手

腰抜け、負けを認めたことになる!


自信が無いなら代理でも立てることね


後、辺境ではお金が使えるとは限らない

気に入らないものにはものを売らないし

食べ物も出さない!

貴方のような余所者にはね!


今は私が居るからお金が使えて成立している


辺境の歴史や人気の逸話?

次に本を持ってくるわ

友好的に接して去っていったのだが


セレナからすれば迷いなく近づいて

私への質問があらかさまで

怪しいなぁの一択である



マリーンドルフからしたら面白い出来事なので

殺すのは1週間の期限の最後にしよう!


「礼儀正しい淑女」の異名を

自分で勝手につけて満足である

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