第5話 蛮族の世界

王族や貴族たちの不興を買い

当主の謎の事故死から

あらゆる微罪の罪が着せられ

公爵家は解体、ほとんどのものたちが

離れていき、

僅かに残った忠臣や使用人達


今後どうするかと思っていたところ

異例の配慮


伯爵として辺境の一部の統治を務めよとの辞令


あそこは蛮族の地

新たな伯爵など認めるわけもなく

今の伯爵に処理されるに決まっている


うちらの支配すら届かない蛮族の地

あちらのルールは特殊

王都、都会のものが適応できるはずもない!

嫌がらせと処分を任せた形である


あそこは理屈や常識の通じない

弱いものから死ぬ力こそ全ての国


☆☆☆


「あれでも中央からの使者だ!

穏便に自然に他殺ではないように仕留めよ!」


辺境伯シュタイン・オットーが

辺境を治めている

伯爵の娘に命令する


マリーンドルフ・オットーとしては

面白そうなおもちゃが来たというところである


親身になって友達になったと見せかけて

油断を誘って事故死にでも追い込むかとの

腹である


辺境にしては見た目、温厚で優しそうな

おねいさん、中央での礼儀作法も

ある程度わかる珍しい存在!


近づくのは容易だろう

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