〜104〜手紙と書類仕事、そして勇者と王様。
「王よ、そろそろ仕事をしてください」
「だって陽炎とかスピカとかマッドまでこの国を離れたんだから」
陽炎達がこのレインドニアを離れてからもう3か月。
王のレインドニア・グラシアスはもう仕事をやりたくないと言っている駄々っ子の様になっている。
宰相も頭を毎日抱えている状況だ。
これでは王なのか子供なのか分からない。
「これ、陽炎達からです。王にって言って送られてきました」
そんなことを言った瞬間にグラシアスが子供の様に目を輝かせる。
「でも、仕事を終わらせてからですよ。何日分溜まってると思っているんですか?」
「はい……」
ご褒美が目の前あるからなのか、仕事をやり始める王様。
裏では宰相は御するのはコツがいるのだと後輩に教えている。
そして三日後。
やっとのことで仕事が終わり手紙を開封。
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レインドニア・グラシアス王へ
陽炎達は
ドワーフってやっぱり小さいんだ。
エルフの里に向かう為にまずはドワーフの王に会いに行くことになりました。
とてもドワーフの皆さんは強靭で熱いところでもへっちゃらみたいです。
でも寒いのが苦手だから洞窟内では防寒具を欠かさないんだとか……。
知らないものや食べ物など楽しいことがいっぱいで、言い表せないです。
スピカや、マッドも元気というか元気すぎて大変です。
そろそろ武器の新調もドワーフがやってくれるそうで、『勇者様の武器を見つけたから急いで直すぞ!』とか言ったり『勇者様の防具を俺が作る』って言って酒場で対決してました。
これからがすごい楽しみです。
また手紙を書くので仕事をしてくださいね。(笑)
陽炎より
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「陽炎さんまでにも仕事してねなんて、もう逃げれませんね」
そう言って宰相は溜まっている仕事をドスンと立てる、1、2、3個ドンとグラシアスの目の前を塞ぐ形で。
「ヒエェ……!」
「ね? 頑張りましょう!」
やはり上に立つものは誰かの尻に敷かれるのが一番なんよ。(極論)
光司とか、ゼウスを含め……。(ボソッ)
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読んでいただきありがとうございます。
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♡もつけていただけると幸いです。
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