〜62〜少しだけ大人になる……?


「まぁ見たことはありますけど……なぜ?」

「いやぁ、コニコニ動画全盛期の奴が好きでね……特にスクールウィークズとか、レッツゴー精霊師とかあのヤバいほど一体感のある字幕とかがいいんだよ! わかる?! ハァハァハァ……」


わかるけど。

わかってしまう自分がいるけども。

変わりすぎではないでしょうか……?

いつもの配信の時のハデスさんよりもイカれてる。

息を荒くしないで、なんか怖い。


「じゃあ『キルノの完璧算術教室』とかは?」

「いいですよね! あのばーかばーかって煽るのがめっちゃあの時代っぽさが現れてる」

「わかります、これでもその辺は予習済です!」

「そうだったか! 嶺さんもやはりその時代の人だ! 会えて嬉しい」


ヲタトークは熱量を増す。

なんか隠キャって感じは久しぶりだ。

やっぱ、ヲタニウムは必要不可欠。

定期的に摂取していなければ陽キャになりかねない。



バンッ!!


「「「うおぅ!」」」

「何やってんの?! 早くお茶くらい出しなさいよ!」

え?

小学生……?

ツインテールの金髪ロリ、服も可愛いフリルがついたエプロンを着ている。

お玉を持っていてまさにお母さん像……なのか?

「ごめんよペル、ちゃんと出すから」

ペル?

ってことはあのギリシャ神話で出てきたペルセポネか?

見た目がロリとか小学生とか言うとヤバいのはわかった、理解している。

成長はしてるのだ。


「仲良しなんですね? 結婚して何年目になるんですか?」

「はぁ……」


なに、嶺。

その時のため息は不吉だよ。

本当になんか地雷でも踏んじゃった、俺?!


「結婚して何年かな……?」

「ハデス、結婚して3948年ですよー。もしかして覚えていないのー?(圧)」

「えー、いやその」


あっ、俺が踏んだんじゃなく、俺が置いてそれをハデスさんが踏んだのね。

地雷どころじゃなかったわ。

魚雷、いや。

核クラスだわ。


うん。

ご愁傷様としか言いようがない。

「そろそろ帰ります、ありがとうございましたー!!」

「いいのよ、ハデスが自分の欲のためによんだのだから。また来てねー」


バタバタと走りこの家からササッと退散することにする。

嶺もすぐに行こうと伝えようとしたけどもういなかった、悲しい……。





少し大人になってしまった気がする……。(キリッ)


==========

読んでいただきありがとうございます。


面白ければ★★★、面白くなければ★。


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