〜63〜本を探しただけなのに……。


迷った。


光司なんですが、本を借りようと神架図書館アカシック・ライブラリーに行った。

広過ぎてというか、俺が迷いやすいというか。

ここがどこかわからん。


歴史書がありまくる。

ここの資料はエビデンス・コロナってとこの星。

エビデンス・コロナを直訳するとコロナの証言……? コロナは証言?

知らん。

でもコロナウイルスが言い訳をするのか。

なにを証言するん。


どこがコロナを出したのか、とか?

でもニュース見なかったからこの辺のことは知らない。

どこの国だっけ、なんか言い訳してた国があったけど。


わからん。(おい、そこが重要だろ)

そんなんよりここから出ないと。


「大丈夫ですか? なんでこんなとこまで、ここって結構奥で誰も来ないけど……」


どこからか声がする。

どこなのかな……? ほんまに。

声は聞こえるのに……。


「ここだよー、なんで見ないの?」

下か?

そう思い視線を下へと移す。

そこにはTシャツを着た小学生くらいの男の子がいる。


目つきは少しおとなしい感じ。

Tシャツは大きく誰からのお下がりのようにクシャッとしている。


「よく見てくれた、私は……。神のビンだよ。出口まで送ろうか?」

「え、いいの?」

そう聞くとコクッと頷く。

そしてビンはスタスタと歩いて行く。


それについて行けばいいのだろうか?

まぁいいや、行こう。




======


ビンについていくと、見知った場所がちらほらとある。

結局30分くらい歩いたな。

しかし歩いていくと周りが俺らを避けて通る。

なんかやったかなぁ、俺。


さっきからビンは黙り込むし。

結構気まずい空気が流れる。


イヤやな、どう切り出そう。

好きな食べ物とか? なんの神様なの、とかかな。

うーん……?


「ごめんね、私……貧乏神なの」

そう一言ビンが喋りかける。

こちらの方を見てなんかありげな目を向ける。

なんだろう、泣きそうなのか。

なんかほんとにしたのかな、俺?(貧乏神の所はガン無視)


「だから奥でいたんだ。ヒック……隠していてごめんなざい゛!」


言い訳をする子供のように謝る。

しかし、泣きじゃくっていて、所々聞こえにくい。


光司は慰める大人のように胸の中で抱きしめる。

光司の頭の中は「本当にこれでいいのか? いやでも、TWOちゃんねるではこうして落ち着けるって書いてたし……」と混乱していた。



「大丈夫、周りを貧乏にしてるんじゃなくて、周り貧乏にしてるんだよ……。成功体験を積ませないと子供は生きていけない大人になる。だから、ビンは間違ってない」

「ぞうなの?」

「そうだ……うん、そうだよな(小声)」


そう言うと周りは一瞬静かになるが、周りから拍手が少しずつゆっくりと上がり始める。

最後には拍手喝采が鳴りやまないでいた。





コレを動画として撮っていた神様が動画を上げて、バズる。

その後すごい感動することをした神様として光司が紹介されたのはまた今度。


==========

読んでいただきありがとうございます。


面白ければ★★★、面白くなければ★。


♡もつけていただけると幸いです。

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