〜 40 〜母なるアリスのお膝元?! 編集済
日中、ご飯を食べて自分の部屋でゆっくりしていた時のこと。
特にすることもなかった俺。
今までを振り返ってみるといろんなことがあったな。楽しいことも、大変なことも。(最終回じゃ無いだろww)
神様に自分がなること自体も驚きだし、それに加えて異世界を管理することになるなんて思いもしなかった。
自分のメイドさんがいたり、黒龍と仲良くなったり、地球での友達も天使になったり……。
思っていたよりも濃い日常を送ってたんだなぁ。
そんなことを考えて禁忌スキルのことを忘れようとしていた。
――――――――――――
【スキルツリー】 ★★★★★
星の力を底上げする。
魔法や、宗教、政治etc……。
そして概念すら変更させる魔法。
ポイントを使い進めていく
スキルツリーである。
⚠︎警告⚠︎ ∞禁忌級スキル∞ ⚠︎警告⚠︎
――――――――――――
ずっと使わないで待っていたスキルなのだが、禁忌って書いてあるし警告表示まで出ている。
まずまずこれってどうやれば使えるのだろうか。
一回だけ発動してみればわかる話だろうし。
んー……。
悩んでみた結果、どんなスキルか興味が湧いてきたので発動してみることに
スキルは大体、スキル名を言葉に出すと良いものが多い。
だからこそ声に出さないで使える無詠唱とかは戦闘面では有利に立ち回れるんだとか。
……アリスが言ってた。
「まぁ、そんなことはどうでも良い。スキル発動してないと……」
息を整えて、ゆっくり目を閉じる。
体の内側に秘められているような温かさを感じる。
「【スキルツリー】発動」
そう唱えると目の前にブワンと音を立てウィンドウが出現する。
そこには既視感を覚えるスキルツリーが見える。
【クロニクル・シミュレーション】
このゲームは、光司が生前によくプレイしていたゲームの一つ。
主人公を動かして木を取ったり、食べ物を作ったり……。
やり込んだらクソゲーと呼ばれるMMORPGだ。
その中でも一際難しいコンテンツがあり、それがこのスキルツリーだ。
ミッションをクリアしてポイントを使い、レベルを上げるという一見するととても簡単なものだった。
最初に言っておくがこのスキルツリーは物凄くクソだった。
もう一度言うが、物凄くクソだった。
最初のミッションは伝説の装備を全て集めるとか、黄金の林檎を一気に十個食べるとか。中級者なら誰でも出来うるミッションだった。
だがこれは前座に過ぎない。
高さ50000メートルに行けとか、死なずに裏ボスの狂歌師を倒せとか無茶苦茶頭悪い人が考えた物に変わるのだ。
ちなみに狂歌師っていうのはデバフ盛り盛りの中で戦う歴代一位を争うクソボスのこと。
行くのも困難なのにポーションの最上位【エリクサー】を飲み続けないと、最上級装備でも大体1分で死ぬ。
一撃喰らえばHPの半分持ってかれるし、バリアも死ぬほど硬い。
そんなのが中盤だった。
しかしこの後はとてつもなく恐ろしかった。
まずクソゲーなのは全敵キャラ5体以上倒すミッション。
これのヤバいところは狂歌師も例外ではないということ。ラスボスとか中ボスも。レアキャラも範囲に入る。
人生で一度目にしたらその日で人生終わるくらいレア度の高い遭遇率0.0001未満のエターナルラックスライムとかも5体倒さないといけない。
一番簡単なのでも全てのアイテムを祭壇に捧げろとか。
最上級装備も無慈悲に持ってかれる。
素材とか制作難易度が高い物も、全てのレシピも全てだ。
おかしいと思うしかない。
課金するとそれが一瞬で終わる。
何万時間やって終わらせたのがたった数秒で終わる。
最後に貰えるのが称号だ。
【カオスプレイヤー】というのだが、アイテムドロップ率100%にし、どんなアイテムも公式取引価格の20%割引で買える。
NPCの好感度は爆速で高くなるし、全ステータス+50%というのが特にデカかった。
しかしながらこんなクソなスキルツリーも、光司や嶺は難なくクリアしたのだ。
無課金でプレイをしていると名前の端に何もマークがないのだが、課金してしまうとお金のマークが浮かんでしまう。
お金のマークがなく、スキルツリーをクリアしていると神のような存在なのだ。
猛者中の猛者、トッププレイヤーという意味付けがされる。
本当に課金をしないでやり切るっていうのがすごく達成感があった。
そんなことも今ではとても良い思い出。
そのスキルツリーが目の前に、なんか凄く嬉しい。
あとクソだなぁと少し呆れている。
でもこれって課金通貨が50ptで一個解放だったはず……。
全部で五十個くらいだから250ptで済むってこと?!
画面を詳しく調べてみるとはてなマークがあり、目を通してみると魔力を使えば全部解放できるんだとか。
あの苦行を二度もやりたくないからね。
ということで早速解放!!
解放ボタンを押すと一気に体から何かがスルスルと抜ける感覚を覚える。
全て空になった感じがしてからズッキンズッキンと頭がはち切れるような痛みを覚える。
最初は我慢できた痛みも考えることもできないくらいの痛みに押さえ付けられる。
「…………そういえば俺って魔力どのくらいあったっけ……?」
そう言って光司はバタリと倒れて、意識を夜闇へと突き落とす。
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俺がなんとなく感じたのは気持ちがいい暖かい光だった。
「だ⬛︎じょぶ⬛︎⬛︎⬛︎、⬛︎⬛︎⬛︎ー」
だれかが呼びかけている。
その声はだんだんと鮮明な声に変わり俺はガバッと起き上がる。
「うぉっ!」
「大丈夫ですか、マスター。部屋に倒れこんでいて……」
「あるじ、大丈夫?」
「そうだよ! 本当に大丈夫なの……?」
周りを見渡すとクロウや、嶺が心配そうな目で見ている。
それより、さっきから二人はペタペタ触るでない。(微笑ましい)
そういえば俺はどこで寝ていたのだろうか? あの暖かい光は?
「……マスター、もう少し寝ていたらどうですか?」
アリスが膝をぽんぽんと叩いて、早く膝枕するから来てくださいと言わんばかりの目線をする。
というかアリスが膝枕をしてくれるの?
…………ってことはこれまではアリスの膝で寝ていたってことか?!
ってことはあの暖かいのはアリスから感じる体温だったの?!
アリスは高性能で、体温まで完璧に再現している。
まさに命が宿っているかのよう。
俺はそんな話を断ることができずにそのままアリスに膝枕をしてもらう。
暖かい温もりが直に伝わって……至高でしたね。(裏山)
まぁわかることは、アリスはガチのお姉さんAIって事だなぁ……。(おい、そこ変われよ)
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読んでいただきありがとうございます。
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