〜 39 〜光司、強く生きて …… 。
「そういえばクロウってなんで俺の服を着てるの? 絶対、大きいよね?」
そうクロウに聞く。
だって、小学校中学年くらいの背なのに大人のLサイズを着るんだよ?
ブカブカのTシャツに短パンとかいつもそんな感じ。
大人にでも憧れてるのだろうか。
「……あるじの匂いがついているから」
えーっと。
ただ単に俺の匂いを嗅ぐため?
なんか、家の匂いとか見知った匂いを嗅ぐと落ち着く的な?
龍でもそんな事があるんだな〜。(龍には無いみたいに言わないであげて?)
まぁ、貸せばいいか!
解決。
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そんな会話を見ているのが2人いた。
アリスと、嶺だ。
尊いと連呼して息を少し荒くする。
まるで、アイドルでも見ている熱狂ファンのようだ。
今日はそんな2人を見ていこうと思う。
まず、わかっていることとして、嶺は光司のことが好き。
アリスは、お姉さんAIの座を勝ち取ったという事の二つ。
光司は気付かず過ごしているようだ。
どれだけ、無知なのだろうか。
話が脱線するが、アリスや嶺が光司の隣の部屋にいるのは理由がある。
光司が女を連れて来たらどうする。
光司がわいせつなことをしていたらどうする。
そんな事が聞き取れる場所がここなのだ。
安い家なので壁が薄い。
イコール、なんでも聞こえる。
それを裏目に取って、隣からの情報が聞こえるのだ。
話し声に、動画の音。
聞こえるなら大体はわかってしまう。
怖いな。
女子ってとても怖くて強いな。
光司、強く生きろ。
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