~18~クロウと光司の関係。 編集済
ヘラさんからの殺気。
何か無礼をしたのか、殺されるのかと身構えたがそれは意味がなかった。
今、どうしているのかというとですね……。
「これも着ようね! やっぱりこっちかしら?」
「どっちでもいいから早く終わって……ください、」
「きゃあ! 可愛いわ! もっと着せ替えなきゃ……!」
クロウが終わって欲しいから最近覚えた斜め45度に首をかしげておねだりするポーズ。
通称『おねだりのポーズ』をしたがそれは逆効果だった。
分かりやすくこの状況を100文字以内で説明すると、クロウが着せ替え人形になっていた。
どうしてこんなあるのかというぐらい押入れから服が出てくるから無限ループに陥っている。そしてさっきのポーズのせいでそれに拍車がかかった、ってこと。
84文字だからスゲー分かりやすくした。
「あるじ~!助けて~!」
そんな声が聞こえるが、素知らぬふりをする光司とアリス。
なんでかって?
ぜったい
または鉄塊。
最後には俺たちまで巻き込まれてしまう可能性まである。
実際にアリスは一度なったことがあるんだとか。
ここで犠牲者が二人になるのは大変だ。
リスクが高過ぎて入る気になれない。
ごめんよ、クロウ。忘れんようにする。(おい)
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あの洞窟は暗かった。
誰もいないから話す事も出来ないし、何より寒い。
ステータスもあの戦いで少し封印されてるから弱くなっちゃった。
封印がなくなったけど弱いままだった。
ここは楽しいわけがない。暗いけど暗視の能力でどうにかなっている。
でもあの結界の中よりはすごく良かった。
自分以外に石がある、草もあった。
魔法も使える。
そして魔法が使えるというのは凄い事で前に居た結界は何もできなかった。
白くてなにもない、ずっと閉じ込められていた。
ご飯もなかったから楽しみもない。
でもたまたま綻びが生まれた。
たまたまずっと体当たりをしていたところから一筋の光が見えた。
必死になってそこの穴を広げた。
そして出たのはたまたまあるじのアースだった。
あの白く、何もない結界より数倍。いや、数十倍マシだった。
そんな時どこか外に神様の気配を感じた。
また僕を捕まえてくると思ってイライラした。
僕は殺気を出した、そうすれば帰ってくれると思った。
またあそこに戻るのが少し怖かった。
でもここに来たのはゼウスとかアポロンとかポセイドンとかじゃなかった。
優しそうなお兄さん。
しかも僕のことをカッコいいって言ってくれた。
正直、嬉しかった。
僕は隠キャだけどお兄さんも隠キャなんだって、同じような話ができてすごく盛り上がった。
結局、お兄さんの家に行くことにした。
人の前? というか神様の前に行く時は『俺』とか『だぞ!!』って大きく見せないとダメって思ってたけど、お兄さんはそんな無理して言わなくてもいいんだよって言ってくれた。
お兄さんは、安心できる人なんだって思った。
あと、家にいたアリスお姉ちゃんも優しい。
見た目は丸いけど2週間くらい経った時に人型になった時は驚いちゃった。
アリスみたいにマスターって言うよりあるじって感じが近い。
みんなでいろんな話ができて楽しい。
安心できる、この人を守りたい。
そんなことを思うようになった。名前を授かったからには頑張んないといけない。
でもすぐ死んじゃいそうで困るからあるじに加護をちゃっかり付けといた。
あるじならいいように使ってくれる。
信じるってこういうことを言うんだと、クロウが初めて知った瞬間だった。
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読んでいただきありがとうございます。
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