~14~クロウの忠誠
そんな話をしている中、黒龍は光司の後ろから離れようとしない。
人見知りらしい。
そりゃあ何百年も籠っていたらこうなるわな。
「黒龍くん、挨拶しな」
少し間が空く。
「こん、にちは? だぞ……」
なんで疑問系なんだよ。
「はい。こんにちは。私はアリスとお呼びください」
「はい、がんばりましゅ」
黒龍が噛んだ。
可愛い。
「マスター、それより黒龍と呼ぶのは不便ではありませんか?マスターが名前を考えてはどうでしょう」
えっ? 唐突だな。
え~。
黒い龍。
カッコいい牙、ギラギラした眼。
あと。クロい、ウロコ……。
「クロウはどうかな……」
そんな事を言うと黒龍はパァッと顔が明るくなる。
「僕、クロウは光司様に忠誠を誓います」
おっと? どうしてこうなった。
へパイトスさん暖かい目で見ないで。
視線が痛い。
「名前をつけるってことはその人の主君になるってことっスよ、光司くん」
うおぅ!! いつの間にポセさんが。
と言うか俺が主君になるってことは、俺がマスターになるってこと?(同じです)
な、なんだってー。(棒読み)
「もしかして、アリスってわかっててハメた? 「そんなことはないです」」
回答、はや。
話している途中くらいだったよね?
まぁ、わかんないからいいや。(超絶楽観視)
そんなこともあったが光司にとって別にいいと思っていることだった。
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ちょうど1週間ほど経った頃。
「アリス~。最近、最新型人間タイプのオートマタを作ったんだけどこっちに移行したい?」
へパイトスさんからアリスへ連絡が来た。
「前も言われましたが、どうしようか悩んでいるんですよ」
アリスは前々から話をされていたがどうしようか悩んでいたのだ。
マスターにはいい姿が見せることはできるのだが。
「アリスの好きな方でいいんじゃない?」
そんな事をへパイトスが言うとアリスの中で何かが取れた気がした。
「じゃあ、お願いします」
咄嗟に言葉に出た。
「分かったよ~」
へパイトスさんに優しい声をかけられた。
とても嬉しかった。
そんな事をへパイトスと話して念話を終了した。
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