~13~黒龍が部屋までついていく 編集済

黒龍と話すのは楽しかった。

本当に時間をそっちのけで話をしていた。


ここ最近の話とか、神様あるある【ゼウスは浮気しがち】とか、陽キャ多めとか……etc。

いろんな話を共有できた。


昔の知らない話を聞かせてくれたり、いろんな事を教えてくれた。


戦争を起こしたのも話を聞いてくれなくて怒って戦争したけど封印されちゃったらしい。

内容はえげつなかったのを覚えている。


ゼウスさんの虹色の雷にポセさんの大洪水で感電させたり、へパイトスさんの作った兵器で戦ったり、アポロンの高火力バフなどなど。


神様って見た目とは裏腹に結構えぐい攻撃をするんだな。勉強になった。


「だけどなんか忘れているような……」

そう言ったのが印象に残った。


そして最近、封印が解けて逃げ出したらここにいたらしい。

それが竜族の表示が出た時だという。

あれはそういう意味だったのね。



そんな時に念話がかかってきた。

『マスター、そろそろ帰ってきてください。お昼ご飯を食べていないのはいけないと思います』

『早く帰ってきてほしいって言えばいいのに、』


『それは違いますッ! へパイトスさんクラフター! そろそろいい加減にしてください! (超激圧)』

そして一言も言う前に切られてしまった。

あっちも大変そうだな。(他人事)



それはそうとアリスからも呼び出しがかかった。そろそろ帰らないといけない事を黒龍に告げる。

一瞬驚いていたが「しょうがない……しょうがないんだ、」とぶつぶつ言いながら別れることになったのだが……。


「ついて行っちゃダメ?」

と言われた。

別に来ることには賛成したいくらいだけど。


「そんな事を言ったって部屋がちっちゃいからこんな大きいと入らないよ」

と光司は困った顔で話す。


だってまずまずドアどころか部屋をぶっ壊しちゃうくらい大きいんだもん。


「これならどうです?」

急に周りが光り始めなんだと思いつつも眩しくて顔を伏せた。



そして目を開けた先にいたのは俺より小さい髪の長い男の子だった。

前髪が長くて前が見えてないらしい。


「これならどうだ、いいだろう」

そう自慢げに仁王立ちをしながら喋る。

目の前に男の子ショタがいるように感じたが見間違いではないらしい。

でもこれなら入れそう。


そんな事を言うのが黒龍だが少し気になる

ボサボサの髪を整えたい。


「ちょっとごめんね」


と一応、謝りを入れ護身用に持ってきたよく切れるナイフでささっと整える。

髪を軽く揃え、前髪を整える。


最後に髪を縛って完成だ。


あんなにボサボサだった髪が今では前髪もスッキリな美少年に。


深藍色しんらんいろの髪が黒龍の鱗のようで、目もクリっとしていて可愛い。

服も白いぶかぶかのTシャツを着ていて、下は見えるかギリギリの短パンをはいている。

ちょっと長めの靴下にローファー。身長は140センチほどだが何故か威厳を感じる。

ポニーテールにしておいたがやはり目論見通りかわゆす。

これこそ可愛いショタだ。


「というか黒龍だけどね」


ツーン、としてるが話した中だと可愛いやつだ。威厳を出すために大人な感じの声や舐められないようなしゃべり方にしていたんだとか。

まぁ鍵を使って部屋に帰ろう。




======


「マスターはやはりアホですね」

帰った早々アリスにそんな事を言われた。


「なんで?」


機械だったはずなのにため息をつかれた。

わからないから聞いただけなのに。


「まず、黒龍を手懐ける時点でおかしいです……呆れました。次にあんな殺気の中『カッコいい』とか言っている場合じゃありませんよ。死にたいのですか、マスター……!」

「スミマセン……オッシャル通リデス、」

これはアリスの言う通りだ。あんな怖い相手にカッコいいなんて死んだも同然。

黒龍を手懐けてはない、ついてきただけ。(それを手懐けたと言うw)


「素直に心配したって言えばいいのにね~。ずっと見張ってたんだよ? いつでも助けに行ける態勢だったし、」


ずっと見守ってくれたへパイトスさんが横でそんな事を言う。



「そ、それは、その……」


「ごめんね、光司くん。アリスって素直に言うことができないらしいの。そんなところも含めてアリスだから宜しくね」

へパイトスさんは親のようにそんな事を言う。

ある意味作ったから親なのかもしれない。


ここで突っ込むのは野暮なので見守っておく。




まぁ可愛いな、アリスは。


==========

読んでいただきありがとうございます。


面白ければ★★★、面白くなければ★。


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