~10~黒龍の悲惨な過去 編集済
「ふぅ、帰って行ったようです。マスター」
「……そうか? ありがとう」
話しをしてる時に途中でゼウスさんが来て一時中断したがまた再開した。
なんかまた奥さんと喧嘩したらしい、だからここに入れてくれ。
イヤだというか入らないな。
俺、アリス、ヘパイトスさんでも十分多いのにそれに加えてここに居座るんでしょ?
やなこった。
そんなこともあったがヘパイトスさんと雑談が始まった。
「光司くんってアリスのことどう思っているの?」
「絶対女の子になったら可愛いなって、思ってます」
「マスター、少し変態なんですか?」
違うの、可愛いなって言いたかっただけなの。
そんなポセさんみたいにコミュ力ないの。
「……マスター、私が可愛くなったらどうしますか?」
「どうって? ……普通に愛でるけどなにか?」
なに? 普通の事じゃない?
可愛い子がいたら遠くからでも愛でる。それが男ってもんだ。
「
「アリス、勘違いしないでね? 現実には手を出さない、それは誓う」
「二次元の女の子なら手を出すんですね……マスター、」
「それは……それだよ?」
うん。
だって二次元は何してもいいって先生から聞いたもん。(幼児退行)
でも三次元はダメって教えてもらったもん! (幼児退行その2)
「まぁ二人が仲良くしていてくれて嬉しいよ、」
「
「じゃあ前みたいに主従の関係も無くす? それでいいならいいけど……?」
「……それは別です、
なんとなくわかるけどへパイトスさんとアリスは仲がいいんだな。
凄く信頼し合っているというか……。俺もそうなりたいね。
へパイトスをクラフターと呼んでいるあたりから、アリスを作った人ってことかな?
「……でもアリスは凄くなついてるじゃん、いつもならガルガルしてるのに~。前の神なんか苦情とか愚痴しか言ってこなかったのに今のマスターは寝顔がかわいいt」
「
何か前の神様がやらかしたのか知らないが、まぁ関係ないからいいけど。
へパイトスさん少し怒られてるな。
可哀想。
そうして気を取り直して、今日は黒龍の観察をヘパイトスさんとやる事になったのだ。
この黒龍、結構ヤバいやつだったんだって。
カッコいいだけじゃなくて強いなんてビックリだ。(この状況でも楽観視)
ちなみに今の黒龍は戦った100年前より十数倍弱くなっているらしい。
これでこのレベルなの? やば~。(おかしいほど楽観視)
もっと仲良くすれば頼りがいのある仲間になると思うけど……?
「なんで戦う羽目になったんですか?」
「それを話すと長くなるね……まぁ順を追って説明するよ、」
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元々黒龍は違う龍だったのだ。
本当はその世界を守る世界樹に住まう聖なる龍。
『聖龍』
聖龍としてこの世界を支えていた。
一歩歩けば浄化され聖龍が近くに住めば聖域となる。爪の破片を薬にすれば万病を直す。
そんなあがめられるような龍だった。
ここまでは良かった。
もともと聖龍の信仰はすごく多かったのだが、ほかの神々が生まれ、歴史の波に消えていってしまった。
神の一種であった聖龍は信仰を糧として生きるため、信仰心がないと生きていけない。
誰かにそれを相談すればよかったのに一人で悩み続けた聖龍はついには死んでしまった。
『誰も助けてくれない』
『誰も自分の事をわかってくれない』
そんな言葉と邪念が融合し生まれ変わった。
それが黒龍。
もとい『邪龍』と呼ばれた。
ただ神への憎しみと世界への恨みで構成されたモノ。
それが黒龍なのだ。
だからそれを神々は討伐した。
だが偶然逃げ出したのだろう、この光司が管理するアースへと迷い込んでしまったようだ。
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ん~?
聞いている限りでは隠キャなのかな。ただポイントが無くなって飢え死にしちゃったってことでしょ?
神は陽キャが多いイメージだし、話しかけにくいのは当然ちゃ当然なのかもしれない。
そういう隠キャの神もいるだろう、なんか俺みたいで悲しくなってくるな。
承認欲求が強い可哀想な龍ってことだったんだな。
そんな過去があったんだな。……でもそれって陰キャだからこそ話しかけられないのか??
そう考える光司であった。
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