~6~アリスの悩み事? 編集済
あの黒龍かっこいいな。(アホ)
どうしてだろう。
あの黒光した鱗、ギロッと今にも襲いかかりそうな黒光りした眼。
赤黒い肉と共にある歯。大きく畳まれた皮膜、何もかもを切り裂く爪。
地鳴りを起こしてしまうような尻尾。
全てがカッコよすぎて震える。なんか子供の頃に戻った気分。
フィギュアとかあっても良さそう。(超楽観視)
卵型のチョコレートにあるおもちゃとかで出てきそうだ。
『最恐王決定戦~異世界生物編~』的なのでありそうだなぁ、意外と安っぽいのがまた懐かしくていいんよ。
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そんなことを思っている光司を横目にアリスは考え事をする。
あれは黒龍。
世界に牙を向きかねない古代龍、実際に色々とあったようですが情報統制がやたら厳しいんですよね。
後で調べてもらいましょうか。
それよりも黒龍は神の中で討伐したはずなのに何故ここに。
それを知らずにマスターは楽観視をしているようですが。(正解)
本当はアホなのでは? (その通り)
そんなことを考えるとへパイトスさんに怒られてしまう。
あんなでも神を支える為に作られたのだから。
世界樹が近くにあるおかげで力を抑えられているようですが、一年後にはどうか分からない。
一応、
念話ををつなぐとすぐに繋がる。
「どうたのアリス? 新しい神になんか不満でもあった?」
ふんわり、おっとりした声には少し安心感を覚える。
声と同じようにお腹もふくよかですが……。
やはりヘパイトスさんはすごく優しい。
でも私のこと心配しすぎなのでは? そこまでしなくたっていいのに……。
「いえ、現在のマスターがもつアースに黒龍が現れたので連絡をと」
「本当? まぁゼウスくんにでも報告してるよ」
「はい、よろしくお願いします」
「というか、話し方堅苦しくない? ちゃんと気を抜く時間も作ってね」
優しすぎる、誰かにころっと騙されないか心配になる。
最近色々と大変だって聞いたけど大丈夫なのでしょうか。
私が知能感覚プログラムを最初に付けた試作型だからといって、ここまでしなくても。
私だって大丈夫なのに、知能感覚プログラムだってもう成熟し切っていますし。
胸の奥底がじんわりと暖かい。これが『嬉しい』ということなのでしょうか。
いやないですね。私に感情プログラムは組み込まれていないのだから。
ない、ですよね。
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光司には最近の楽しみがある。
生物が動き、進化をしていく様がとてもいいと思い始めた。
特に世界樹や、黒龍。
この二つは見るのが日課になり始めた。
朝起きたらデリバリーで朝ご飯を食べて、アースをじっくり見つめる。
少し鳥を動かしたりして世界がどうしているのかを見たりする。
黒龍と世界樹を見たりして時間をつぶす。
昼ご飯を食べて少しゆっくりする、そんな生活を送っている。
買い物に行ったりすることもあるけどまだこの場所について分からないこと多いからアリスに教えてもらったり。
楽しい時間が流れていく。
あと黒龍が何も食べないのは心配だけど、アリスいわく「龍は何も食べなくても300年くらいなら生きていますよ」だってさ。
リンゴを100個くらい目の前に置いたら少し食べてくれたのは嬉しかった。
でも少し悲しいのかわからないけどいつもうつむいて寝ている。嫌なことを忘れたいようにずっと。
なにがあったのかは分からないけど、何かかわいそうに思えてきた。
過去になんかあったりしてね。(フラグ)
まぁ特に世界樹は大きくなって欲しいな。
早く大きくなった姿を見てみたい、その近くで都が出来ていたらなお良い。
それを見て歩きたいな、でもまぁ人間もまだいないから当分先になるけど……でも早く見てみたいな。
画面越しだが世界樹に問いかける。
「なぁ、世界樹。お前は早く大きくなって世界を守ってくれよ。そうしないとなんかあったとき困るだろ? まぁ、なんかないことを祈るしかないけど……」
そう問いかけると世界樹の葉が一層青くなった気がした。
そんな気がしただけ、だと思うけど……でも俺はこれでいいと思う。
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読んでいただきありがとうございます。
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