~2~ポセさんといっしょ
「そういえば3人目は?」
「自分が1番わかるでしょ。あの子供っスよ。もう忘れたんすか。ウケるっスわ」
ん。
陽キャはヤバい。
これだから陽キャは。
「何が陽キャは、っスか? 教えてくださいよ~。ね? 光司くん。」
恐怖しかない。ドス黒い闇の片鱗が見えた気がした。
というか読心術されてる。
心が読まれてる。
コメントで【光司:陽キャってこんなことできるんだ(白目)】って打ちたい。
今度から心で思うことを気をつけようと思う光司だった。
「で、光司くん異世界転生するか神になって世界を創りたいのかどっちなんっスか」
う~ん。
異世界転生はそこまで魅力を感じない。
でも世界を創るのってどんな感じだろう。
「光司くんが死ぬ前にやりたがってたシュミレーションゲームに近いスよ」
ん? なんだって。
読心術をされたことより気になる。
シュミレーションゲームに近いって魅力しか感じない。
「俺は、神様になってみたいです!」
光司はそんなことを聞いて考える暇もなく即答する。
「そうスか。じゃあまずこれを預けるっス」
そう言うと小さな鍵を渡してきた。装飾もしっかり凝っており洗礼されたデザインだと思う。
「それは自分の世界。簡単に言うと神様専用の部屋に行ける鍵っス。なくしたら多分大変な説教が待っているっス。気をつけてくださいっス」
説教か。誰が説教するんだろう。
まぁ、無くさないようにするしかないな。
「というかどこにドアがあるんですか」
「どこからでもっスよ。さっきゼウス兄さんが行った時に使ってたじゃないっスか。あんな感じっス」
どこからでも。ワクワクする。
「行きたいって思えば行けるっスよ。あとネックレスみたいにするのが流行りっス」
やってみたい。行きたいだよな。
ん~……。
行きたい。行ってみたい。
目の前にドアがフッと出てきた。こう見るとすごい技術だな。
「開けてみるっス」
そんなことをポセさんに言われる。
少し怖いからゆっくりと開ける
目の前に見えたのは自分の部屋だった。
似てい過ぎて目を擦った。
何度擦っても自分の部屋。
足を踏み入れると無機物な声が部屋に響く。
「こんにちは、マスター。私は【D1型自立支援装置=ARISU】、アリスとでも言って下さい。机の上に浮いた球体が本体ですので落とさないように注意してください。よろしくお願いします」
無機物とは言ったが流暢に話している。
まるであのアレ〇サのようだ。
丸いフォルムもア〇クサのまんま。
でも一応挨拶をしないと。
「こんにちは。俺は神冥 光司。今年で二十一歳です。よろしくお願いします」
と挨拶をする。営業スマイルがついでてしまう。
「マスター、敬語は必要不可です。マスターのメイドとでも思ってください」
「そうなんだ。じゃあそうさせてもらうけど、マスターっていうのがむず痒いな」
「仕方がありません。上下関係がメイドの基本ですので」
マスターってのは変えれないのね。
というかメイドになりきってる。
可愛く見えてきた。
でも後ろからポセさんの温かい視線が少し痛い。
もうこの歳になると恥ずかしい。
この後の生活が思いやられる。
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読んでいただきありがとうございます。
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