某HI風ももたろう
@wolt556
第1話
昔々、ある所にお爺sとお婆sが居住していた。
お爺sは山へ柴刈りへ、お婆sは川へ洗濯へ行った。
お婆sが川で洗濯をしていると、大きな桃がどんぶらこどんぶらこと流れて来た。
「これはMIL規格の桃と推察される。持ち帰りSPECを確認致し度」
お婆sは桃を持ち帰り、切断すると中から大きな赤ん坊が射出された。
「命名の件 お爺殿 首記の件、ご意見お伺い致し度 了」
「Re:命名の件 お婆殿 首記の件、桃から生まれた事から桃太郎と名付けては如何でしょう。 了」
「Re:Re:命名の件 お爺殿 首記の件了承致しました。 了」
桃太郎はすくすくと大きくなり、立派な優しい男児に成長した。
ある日桃太郎は2人に提案した。
「お爺殿、お婆殿
下記の通り、下名が鬼退治を実施いたし度、何卒ご許可の程お願い申し上げます。
記
期間:本日~鬼殲滅まで
場所:鬼ヶ島
準備物:お婆殿は黍団子の作成宜しくお願い致します
以上」
お婆sは早速黍団子を作成し、桃太郎に渡して言った。
「桃太郎殿 為念。鬼は凶悪である為ご注意願います。 了」
こうして桃太郎は黍団子を持って鬼ヶ島へ向かった。
旅の道中、桃太郎は犬に会った。
「桃太郎殿 お世話になっております。黍団子を頂き度 了」
「了解致しました。送付致します。 了」
次に猿に会った。
「桃太郎殿 架電の件、下名も参加致し度。併せて黍団子を頂き度、宜しくお願い致します。 了」
「了解致しました。送付致します。 了」
最後に雉に会った。
「桃太郎殿 お爺sから鬼退治開催案内の転送を受取りました。下名も参加致します。 了」
「了解致しました。送付致します。 了」
犬猿雉「桃太郎殿 黍団子の送付及び迅速なご対応感謝致します。鬼退治の件ご助力致します。 了」
桃太郎一行は鬼ヶ島に到着した。
鬼達は丁度、プロジェクト終了の打上げが終わる所であった。
「では鬼ヶ島の益々の発展を祈りまして、一本締めで締めたいと思います。よーーーーおっ」
\\\ポポポン!///\ポン!/
一本締めのくせにバラバラなのは愛嬌である。三本締めと勘違いした者がいなかっただけ優秀と言える。
そこへ現れた桃太郎。
「ご安全に!!」
「「「ご安全に!」」」
条件反射で返事する鬼達。いつ誰が言おうとも「ご安全に」には即座に返事をすべきと、幼少時より教育されている。
桃太郎は続ける。
「只今より桃太郎による鬼退治を開始致します。」
我に返って戦闘態勢に入る鬼。
「立っている物は倒れる!」
犬が鬼を体当たりで倒す!
「丸い物は転がる!」
猿が高い所から岩を落とす!
「尖っている物は刺さる!」
雉が鬼の目を突く!
「切り粉・刃物は切れる!」
桃太郎が刀を振るいバッサバッサと鬼を薙ぎ払う!
桃太郎一行は、それぞれ「危険予知7項目」を唱和しながら鬼を倒してしまった。毎朝実施しているKY活動の賜物である。
桃太郎一行は多くの財宝を持ち帰り帰宅した。
出張報告はすぐに作成し上長に申請したが、財宝を持ち帰った場合の旅費申請の仕方がわからない。とりあえず贈答品として申請した。
桃太郎は近日総務に呼び出されるだろう。
めでたしめでたし。
某HI風ももたろう @wolt556
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