第28話 対策会議
あれから俺たちは少しの間山を散歩した後にコテージにやってきていた。
「ここがコテージか。結構広いな。」
「だね。ここなら結構ゆっくりできそうだね。」
コテージは二階建てで一階にはお風呂やキッチン、ダイビングがあり二階には寝室がある。
月の言っていた通り寝室は一部屋しかなかった。
「どうする?先に風呂入るか?」
時刻も微妙であるため俺はとりあえず風呂に入ることを提案した。
「そうだね。まだおなかも減ってないし、じゃあ先にお風呂いただこうかな。覗かないでよ?」
少し身をよじり両手で体を抱いてそんなことを月はいった。
「覗くわけないだろ!いいからとっとと入ってこい!」
「はーい。」
そそくさと月は風呂場へと消えていった。
俺は月が風呂場に入ったのを確認するとスマホを手に外に出た。
そして電話を掛けた。
するとすぐに相手は電話にでた。
「もしもし?お前から電話をかけてくるなんて珍しいな?なんかあったのか?」
海斗は少し不審そうにそんなことを言ってきた。
「まあな。ちょっとお前に聞きたいことがあってな。」
「本当に珍しいな?一体何事だ?」
「学校の神楽澪音について何か知ってることがあったら教えてくれないか?」
「お前が三次元の女の話をするなんて変なものでも食ったのか?」
「失礼な。変なものなんて食ってない。いいから何か知っていることがあれば教えてくれ。」
海斗は三次元に興味はないが情報通なのだ。
学校の事件や噂などは大抵知っている。
こいつは二次元にしか興味はないが誰とでも仲良くできるため友達が多くそういった情報をたくさん仕入れているのだ。
(まあ、告白されてもえぐい断り方をしてるから女子からは少し冷たい目で見られてはいるがそれでも女子の友達が多いんだからイケメンっていうのはすごい。)
「神楽澪音ね~。確かお前と同じクラスだったか?」
「ああ。そうだな。」
「あんまり変な噂は聞かないが、そういえば最近転校生を避けるような動きがあった気がするな。取り巻きとか周囲の女子たちもそれに同調してる感じはあるな。」
「どうすれば止められると思う?」
「本当に珍しいな。お前が三次元の女子を助けようとするなんて。もしかして惚れたのか?」
にやにやしたような様子で海斗は俺をからかってくる。
「まさか。俺は二次元一筋だ。」
「じゃあなんでそんなことをするんだ?お前は面倒ごとに積極的に首を突っ込むタイプではなかっただろ?」
「少し借りができてな。あと、あいつが避けられるようになった要因の一つに俺が関わってるかもしれないからその罪滅ぼしかな。」
「なるほど。一体お前はあのクラスの女帝に何したんだ?」
「いろいろあったんだよ。今度お前の欲しいグッズ買うから協力してくれないか?」
「よし乗った!」
(よし!こいつも俺と同じ二次元大好き人間だから簡単に釣れたな。まあ、俺もこういわれたら乗るけど、)
「でも、今のところ実害は出てないんだろ?」
「多分な。でも、これから先悪化する危険性もあるから早めに手を打っておきたいんだよ。」
「なるほどな。一理あるな。まあ、陽炎さんはかなり美人だし人気もあるから女子たちからしたら疎ましく思われるのかもしれないな。」
「だろ?どうしたら仲間外れみたいな行為を止められると思う?」
「難しいな。実際女子は結構プライドが高い生物だからな。まあ、考えてみるよ。これから配信が始まるから切るぞ。」
「おいちょっと、」
俺が言い終わる前に海斗は通話を切った。
(あの二次元オタクめ。)
俺も人のことは言えないが。
(ん?今から配信?俺と海斗の推しは同じ。つまり、、、!やばい配信始まってる!?)
俺はそれに気づくと大慌てでコテージの中に戻ってスマホを取り出して配信を見ることにした。
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