第17話 盗撮もしてたんだね!?
二人は映画を見終えるとカフェに移動していた。
「あの映画結構面白かったね!」
「ああ。正直映画はついで程度に考えていたんだが結構面白かったな。」
「いやいや、普通は映画がメインなんだけど。」
月は少し呆れながら言っていた。
「まあ、きっとそれはそうなんだろうけどでも俺にとっては映画はついでなもんでな。」
「それはそうと映画の特典私のもあげるよ。」
月は自身の映画の特典を差し出しながら笑顔で言った。
「え!?本当にいいのか?」
「もちろんいいよ。私は星乃君と映画に行きたかっただけで得点には興味があんまりないから。」
「じゃあ、ありがたくいただくよ。本当にありがとう。」
蒼は深々と頭を下げていた。
本当にうれしかったようだ。
「そういえば映画のあとで悪いんだけどさ、少し聞きたいことがあるんだけどいいか?」
「おっ!珍しいね!星乃君が私に質問だなんて。何々?圧倒的に可愛い私のことは気になってきちゃった感じ?」
ノリノリになっていた。
「いや、全然そんなことではないんだけどさお前って結構一人で出かけるときとかいっつもあんな風にナンパされてるのか?」
「なんだそのことか。」
露骨に残念そうな声をあげる月
「まあ、かけられることが多いかな。その時はいつも星乃君の写真見せて追い払ってるよ!」
「いや、何してんの!?」
満面の笑みでピースをしている月に全力の突っ込みを入れる蒼。
(だから最近ガラの悪い男に睨まれることが多かったのか?なんという理不尽。おれはこいつがナンパに会うたびに知らないところでヘイトを買っているという事なのか?最悪だ。)
「え?なにって。しつこかった人にこの写真を見せながら彼氏を待っているのでごめんなさいって言ったらみんな引き下がってくれるので。」
「ちなみにお前その写真はどこで手に入れたんだ?」
「へ?普通に盗撮だけど?」
「いやいや、それって犯罪だからね?普通に法に触れちゃってるけどね?」
(こいつ一体なんてことをしてくれてんだ。恐るべし三次元。やっぱり俺は二次元がいいな。)
蒼はそんな会話をしながら改めてそう思った。
「ふっ、愛の前には法なんて無力なんだよ。」
決め顔でそんなことを言う月であった。
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「じゃあ、俺はトイレ行ってくるから少し待っててくれないか?」
「うん。待っとくね。私がまた絡まれる前にお早くね~」
「ああ。これ以上他の男からのヘイトなんて買いたくないからな。」
蒼は少し苦笑いをしながらそういいトイレへと向かった。
「ふう。」
蒼は無事に用を足して月の待つフードコートに向かっていた。
「あれ?もしかして蒼君?」
いきなり後ろから声をかけられた。
蒼はその声を知っていた。
(まさか、)
蒼は声の発生源が誰か確認しようとして振り返った。
いや、振り返ってしまった。
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